子孫繁栄の願い込める「大黒様のお歳夜」にハタハタの田楽づくり 不漁で確保難しく
12月9日は七福神のひとり大黒様が妻を迎える夜とされる「大黒様のお歳夜」です。子孫繁栄の願いを込めて、庄内地方の鮮魚店ではお供えに欠かせない「ハタハタの田楽」づくりが早朝から行われました。
庄内地方では毎年「大黒様のお歳夜」に子孫繁栄を願う縁起物子持ちのハタハタを食べる風習が根付いています。鶴岡市内の鮮魚店「梅津鮮魚店」では早朝からハタハタを焼き始め、店内は香ばしい香りに包まれていました。焼きあがった身に特製の手作りみそだれを塗って「ハタハタ田楽」に仕上げていきます。
庄内地方の鮮魚店では毎年、田楽づくりを行う光景が古くから続く師走の風物詩となっています。しかし最近はハタハタの仕入れに苦労しているといいます。
梅津鮮魚店 梅津 亮一さん「ハタハタが不漁、ほとんど庄内浜で獲れていなくて品物の確保ができるのかどうか心配していましたね」
県によりますとことし10月に庄内浜に水揚げされたハタハタは平年の2パーセントにとどまりました。地物の確保が難しい中、こちらの鮮魚店では秋田産のハタハタをなんとか800匹確保して1年に1度の伝統行事に間に合わせました。
梅津鮮魚店 梅津 亮一さん「値段も去年より2割くらいあがっている。量が秋田も少なくて品物の確保が大変だった。『大黒様のお歳夜』なのでことしもまめに暮らせたということで来年もまめに健康で健やかにまた、大黒様の言う通り子孫繁栄、子供が増えるように願って焼きました」
年々、海の状況は変わっていますが梅津鮮魚店は「これからも庄内伝統の行事と味を守っていきたい」と話していました。