仏様の前でライブ!山形で4年ぶりの”寺フェス”500人熱狂 銀杏BOYZ、前野健太ら出演 主催者は「僧侶兼ミュージシャン」
山形県朝日町の寺で行う音楽イベント「寺フェス」が9月30日、4年ぶりに開催されました。500人以上が熱狂した寺フェスの1日と主催した僧侶兼ミュージシャンの男性に密着しました。
9月30日、朝日町の寺で開催された音楽イベント「寺フェス」。本堂で演奏するのは全国の大型音楽フェスにも出演する一流のミュージシャンたちです。
新型コロナの影響で3年連続で中止となっていた寺フェス。最初は音楽好きで涙もろい1人の男性から始まりました。
朝日町で900年以上の歴史をもつ寺「若宮寺」。
この寺の長男で、副住職を務める登坂尚高さん(36)はただのお坊さんではありません。
登坂さん「僧侶兼ミュージシャンですね」
もう1つの顔は県内外でライブ活動を行うミュージシャンです。
登坂さんが実家の若宮寺を会場に10年前から開催しているのが寺フェスです。
登坂さん
「最初に始めたころから音楽で面白いことをしたいというのは一貫して変わっていない。おじいちゃんやおばあちゃんでも家族連れでも楽しんでもらえるように心掛けて運営している」
しかし、その後新型コロナが流行。寺フェスは3年連続で中止を余儀なくされました。
登坂さん「うちのじいちゃんばあちゃんにうつしたらどうするべと考えたら最大限まで楽しめないなと思った」
音楽とも距離を置くようになります。
登坂さん
「毎日ギターを触っていたけど1週間に1度くらいになりました。病院とかで働いている人は大変ですし俺には一体何ができるんだと考えすぎてしまって」
我慢の日々が続きます。
新型コロナが5類に移行されたことし。
登坂さん「音楽界隈で声出しがOKになっている部分もあるのでやってみっぺと」
4年ぶりに寺フェスを開催することを決めました。
この日、訪れたのは朝日町内にある書店です。
登坂さん
「ポスターとチラシを持ってきたのでよろしくお願いします」
書店の店主
「いろんなことが始まっていくのはいいですよね。すごく有名な方ばっかり来るじゃないですか。それを見たくていろんなところから来てくれるので盛り上がりますよね」
朝日町に寺フェスが帰ってきます。
9月30日、寺フェスは登坂さんの同級生や友人たちがボランティアで運営を手伝っています。
登坂さん「きょうでようやっと寺フェスを迎えることが出来ました」
スタッフ「泣いちゃだめだよ」「早いよ」
登坂さん「何卒よろしくお願いいたします」
スタッフ
「尚高と話をしていて出来ないのは悔しいねとずっと言っていたのでことしは絶対やるぞと早い段階から決めていたのできょうは頑張りたい」
「スタッフの皆さんやお客さんと会えなくてさみしい思いはあった。久しぶりの開催で私も楽しみにしていたのでうれしいです」
みんなが楽しめるフェスに出来るでしょうか?
登坂さん「いよいよです。わくわくしてます」
いよいよ開演。本堂のステージに立つのは登坂さんが好きで招いたミュージシャンたちです。
出演
■Hi,how are you?
■ラッキーオールドサン
■前野健太
■大木温之 など
そして、”ミュージシャン”登坂尚高の登場です。
登坂さん
「一番初めのころは罰当たりと風のうわさで聞きましたけど僕ら僧侶には法話というお話があります。お話の中では言葉の力が大事。音楽も歌詞があって言葉の力が乗っかってみなさん心が動いていると思うんですよ。僕は同じだと思っている。仏さまたちも喜んでくれているのかなと思う」
観客(宮城から)「いいですね。お寺でのんびりできて。子どもも森があるので飽きずにいられる」
観客(東京から)「雰囲気がとっても良くて来年も期待しています」
ことしの来場者は500人以上。開演から5時間続いた寺フェスもフィナーレです。
大トリを飾るのは山辺町出身の人気ミュージシャン銀杏BOYZです。
銀杏BOYZ 峯田和伸さん
「ここに来るまでに通った間に山辺町という隣町があってそこが僕の出身地で、あんな真っ暗な空の下で電気も暗めにしてずっと音楽を浴びてこんな人間になってしまった。 学校や仕事先やバイト先がつまらないのは当たり前で、その中でロックというものに握手できた」
登坂さん
「よっしゃー、4年掛かったぞー、やっと出来たぞーありがとう!」
「本当に幸せでしたね。最後は訳が分からないことを言ってしまったかもしれないですけど本当に幸せでした」
4年ぶりの寺フェス。
若宮寺、そして朝日町が音楽に包まれた1日となりました。