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山形市のハウスメーカーの防火対策の施工不備 1月には認識も公表は6月 火災保険料金など高くなる可能性も

2024年6月6日 18:24
山形市のハウスメーカーの防火対策の施工不備 1月には認識も公表は6月 火災保険料金など高くなる可能性も

山形市のハウスメーカーで新たに、コンセントなどの防火対策の施工不備が発覚した問題で、メーカー側が遅くともことし1月には施工不備を認識していたことがわかりました。しかし、顧客などへの公表は6月3日になってからでした。メーカー側は「全容判明後に公表予定だった」としています。

この問題は、山形市のハウスメーカー「クリエイト礼文」が建築・販売した住宅などで新たに、コンセントや照明器具などの防火対策を講じていない別の施工不備が判明したものです。
クリエイト礼文を巡っては去年12月、屋根裏に断熱材などを取り付けていない施工不備が発覚したとして、4月30日現在、県内外の合わせて2826棟を対象とした調査や改修工事が進められています。
こうした中、クリエイト礼文は6月3日、新たな施工不備が判明したことをホームページ上で公表しました。
しかし、新たな施工不備についてメーカー側は遅くともことし1月から認識していたにも関わらず、6月に入るまでのおよそ5か月にわたって顧客などに対して公表していなかったことがメーカーへの取材で分かりました。これまで公表していなかった理由については「該当する住宅が何棟あるかなどを調べてから公表する予定だった」としています。メーカー側は「対象となる建物の数は調査中で不明」としています。
新たに発覚した施工不備は「省令準耐火構造」という、住宅金融支援機構が定める基準を満たすために必要なコンセントなどの火元になりうる配線器具を火に強い素材で覆う対策を行っていなかったものです。
施工不備が起きた原因については「調査中」とした上で、「使用した部品が基準を満たしていなかった可能性がある」としています。
こうした施工不備について、損害保険に詳しいファイナンシャルプランナーの平野敦之さんは、該当する住宅では火災保険や地震保険などの保険料にも影響する可能性もあると指摘します。
平野さんによりますと、「省令準耐火構造」の基準を満たした住宅の保険料と基準を満たしていない住宅の保険料では基準を満たしていない住宅の方が高くなるケースがあるといいます。今回発覚した施工不備があった住宅などでは「非耐火構造」とみなされてしまう可能性もあるということです。

平野FP事務所平野敦之代表「例えば山形県の場合、地震保険で年間1000万円の保障を付けると、マンションや耐火構造の保険料は7300円。ロ構造(非耐火構造)になると、1万1200円になる。4000円弱ぐらい年間で変わる。割引を入れていない前提だが地震保険だとそれぐらい変わる」

平野さんは、施工不備に該当する住宅では早めに保険会社と直接相談した方がいいといいます。

平野FP事務所平野敦之代表「結局、保険としての対応で何かあったときにきちんと問題なく保険金を払えますとなるか、あるいは払えなくなり、追加で保険料を支払わないとまずいとなるのか、あるいはもっと違う対応があるのか…など、判断的なものは保険会社が行うものなので、 直接聞いてもらうのが1番いいと思う」

クリエイト礼文によりますと、住宅を購入した人の多くは、自社の保険代理店部門で火災保険などに契約しているということです。施工不備があった住宅で自社で契約した保険については、今後の対応を調整しているということです。