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避難所に少しでも安心感を 上山市の企業が被災地に段ボールで組み立てるベッド寄贈

2024年2月1日 18:22
避難所に少しでも安心感を 上山市の企業が被災地に段ボールで組み立てるベッド寄贈
災害の際の避難所で避難者が体調を悪化させないための対策が重要となっています。こうした中、避難生活が長引いている能登半島地震の被災者の生活環境改善につなげてもらおうと、山形県上山市の企業が段ボール製のベッド300台を石川県の自治体に寄贈しました。

上山市の段ボール製品製造メーカー「エスパック」では、災害時に備え、4年前(2020年)から段ボールを組み立てて作るベッドを生産しています。

エスパック・営業部 クリエイトチーム宮沢卓也チームリーダー「何もない体育館に避難したときにここに自分の場所があると認識してもらうことで少しでも安心感につながってほしいという意味を込めて『クイックベース』という名前にした」

重さはおよそ8キロ、梱包されていて、簡単に持ち運びができます。

宮沢さん「すでに組み立てられた格子状の2つのブロックがあるので」
中川悠アナウンサー「もうこの状態なんですね」「広げるだけで土台が完成する」

組み立ては、2つの土台同士を付属のパーツでつなぎ、上に段ボールを敷くだけの工程で組み立てられます。誰でも2分ほどで完成できる構造にしたということです。

宮沢さん「これで完成です」
中川アナ「早い!重いとか大変というのは全然なくて誰でも簡単にできる」
宮沢さん「誰でも簡単に説明書を見れば1人で組み立てられると思う」

実際に寝てみると・・・

中川アナ「地面からの冷気はまったく感じない思ったよりも快適」

このメーカーでは、能登半島地震を受け、段ボール製ベッド300台を1月12日に石川県の中能登町と内灘町の避難所に寄贈しました。

エスパック・営業部 クリエイトチーム宮沢卓也チームリーダー「特に石川県の地震は1月1日で寒い時期に起きたので底冷えを気にしなくていい高さというのは重要なのかなと思う」

この段ボール製ベッドは中にスマートフォンや財布などの貴重品を入れることもできるということです。一方、そのままの状態で寝ると硬さを感じるため、毛布などを敷いて使ってほしいとしています。

このベッドは税込み8800円で、これまで、村山市役所や酒田市の日本海総合病院のほか、北海道の共和町役場など県内外の自治体や病院に災害時の備品として販売しているということです。
メーカーでは、被災地で利用した人たちの反応を聞き、製品の改良を進めたいとしています。
また、今回、被災地に寄贈した300台のうち170台は、上山市内の福祉施設の利用者たちが製造の一部を請け負いました。被災地への支援とともに福祉施設利用者の自立支援にもつながったということです。
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