消防が警察から救助要請を受けたとしているのは死亡した新庄署の警察官が110番通報してから2時間半後
7月の記録的大雨で氾濫した濁流にのまれた警察官2人の救助を巡って、消防が警察から救助の要請を受けたとしているのは、警察官が「流されている」と自ら110番通報してからおよそ2時間半が経過した後だったことがわかりました。
9月3日。警察庁の露木康浩長官が警察官2人が流され死亡した現場を視察し、黙とうを捧げました。
2人が死亡した当時の川の状況などを調査した山形大学の災害環境科学研究ユニットは5日、これまでの調査結果を発表しました。当時、現場近くを流れる川の複数箇所が決壊したことで流れが速い濁流が現場一帯に流れ込んだといいます。
山形大学理学部・本山功教授「現場周辺で全部、上流であふれた水が合わさって現場の道路に流れこんだことで大きな災害につながったと考えている」
4日、死亡した警察官2人が最後に通信した無線の内容が明らかになりました。
露木康浩・警察庁長官「水に流されているパトカーの中から 彼らが発した声を聞いた。まだまだ車が流入してきている。交通規制をしてほしいという声が最後の発信だったと聞いた」
一方、当時、流された警察官2人の救助を巡って、最上広域市町村圏事務組合消防本部が警察から救助の要請を受けたとしているのは、警察官が「流されている」と自ら110番通報してからおよそ2時間半が経過した後だったことがわかりました。
警察によりますと、25日の午後11時25分ごろ、一般男性から「車が流された」などと110番通報を受け、警察官2人が現場に向かいました。
その後、2人から午後11時43分と翌日の午前0時12分に「流された」と110番通報で救助を求める要請がありました。
新庄警察署は、2人が流される前後の時間帯の25日午後11時半ごろから翌日の午前3時40分ごろまでに合わせて17回、消防に対して直通電話で連絡を取ったとしています。その中で複数回、2人の救助を要請したということです。
消防の通信記録では、午後11時半ごろに警察から一般男性についての救助要請を受けて現場に出動しました。しかし、警察官2人についての救助要請を新庄警察署から受けたとしているのは、26日の午前2時20分ごろ。警察官から「流されている」と最初に110番通報があった時間から、およそ2時間半後でした。警察官2人が亡くなったとみられるのは午前1時ごろとされています。
警察は「消防に複数回、警察官の救助を要請した」としていますが、その時間については特定できていないということです。警察官から「流されている」という110番通報があった後、どのタイミングで消防に救助要請したのかなど当時の詳しい状況について検証するとしています。
これに対し、消防は「当時は一般の人からも含めて通報が非常に多く混乱していた。通信記録の精査に時間がかかっている」としていて、警察からの救助要請の状況について現在、当時の記録を確認しているということです。