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【解説】告発者の私的情報公開問題 公開の基準で県・人事課と見解相違 問われる斎藤知事発言の正当性

2025年3月11日 18:32
【解説】告発者の私的情報公開問題 公開の基準で県・人事課と見解相違 問われる斎藤知事発言の正当性

 今月5日、百条委員会の報告を受けて、会見に臨んだ斎藤元彦知事。告発文を作成した元県民局長の処分理由を説明する中で、問題の発言が飛び出しました。

 兵庫県・斎藤元彦知事
「倫理上、極めて不適切な、“わいせつな”文書を作成されていたということで、(これと合わせて)4つの非違行為が判明しましたので、(元県民局長は)懲戒処分ということになりました」

 (Q:中身について触れる説明をしないといけない?)
 斎藤元彦知事
「業務上関係のない、倫理上極めて問題のある文書だということで、これを申し上げることは問題ないと思っています」

 (Q:知事は中身を見た?)
 斎藤元彦知事
「私は見たことがないです。そういった文書があると聞いていました」

 (Q:(元県民局長の)公用PCの公開を検討?)
 斎藤元彦知事
「県民のみなさんの関心なども踏まえて、請求があれば当然、もちろん検討はしていかないといけないと思います」

 一方、県の人事課は、会見の後、読売テレビの取材に、個人情報を保護する情報公開条例に基づき、「私的な文書の内容は公開できない」と回答していて、知事の発言の正当性が問われています。

 11日の会見で改めて指摘を受けた知事は――。

 (Q:先週の発言については問題なかった?)
 斎藤知事
「倫理上問題のある文書を作成したことは事実なので、発言をさせていただいたということ」

 (Q:(先週使った言葉を)きょうは使わず、いまは不適切だと思っている?)
 斎藤知事
「特段、問題あるとは思っていません」

 (Q:撤回する考えは?)
 斎藤知事
「説明をさせていただいたということですので」

◆◆◆◆◆

 中谷しのぶキャスター
「今回のことの本質というのはどこにあると考えますか」

 尾坂健太郎記者
「取材を通して見えた問題点は、知事自ら、条例の理念を無視しているのではないかという点です。改めて先週5日の知事の発言を振り返りたいと思いますが、知事は私的な文書の内容に触れた理由として、『“倫理上極めて問題のある文書”とはこれまで言っていた。懲戒処分の一つの理由になっているので、申し上げることは問題ない』。ただ、その一方で『内容は見ていない』とも話しました。

 知事の発言を受け、改めて県の人事課に取材をしましたが、私的な文書の内容は、県の情報公開条例に基づいて非公開だというふうに判断しています。条例には、特定の個人を識別できるもののうち、他人には知られたくないと認められるものは非公開とするという規定があります。明確なルールがあることに対して、二通りの考え方が存在している、いわばダブルスダンダートの状況になっています。

 このことについて、11日の会見で知事に改めて、発言に問題がなかったか見解を問いました。11日の知事の発言ですが、『倫理上問題のある文書を作成したことは実際事実なので、そういった発言をした。不適切とは思わない。情報公開請求があれば、県民の知る権利も含めて、条例の条文や趣旨に基づいて対応を検討していく』と話しています。

 ただ、知事は発言について適切だとした一方で、前回の会見で触れた私的な内容については、11日は一切言及することがありませんでした」

 中谷しのぶキャスター
「今後のポイントはどこになるでしょうか」

 尾坂健太郎記者
「今月末に向けて、第三者委員会が調査をまとめ、報告書を提出する予定です。今回の問題の本質は、あくまで告発文に書かれている内容が正しいかどうかと、この告発文が公益通報に当たるかどうかという点です。

 つまり、今回知事が発言をした私的文書の内容については、その告発内容とは無関係だということを、伝えておきたいと思います。この告発内容に書かれている内容が正しいかどうかと、告発文書が公益通報に当たるかどうかと、私的な文章の内容、これは関係がありません。

 このタイミングで知事が改めてその内容に言及をしたことの正当性が問われていると思います」

最終更新日:2025年3月11日 18:56
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