リーグワン新規参入チームを率いる主将 小兵フランカーは母校伝統のタックルで大男をもなぎ倒す 山梨
埼玉県狭山市を拠点とする「狭山セコムラガッツ」。今季から日本最高峰のラグビーリーグ「リーグワン」に参入します。チームの主将は山梨県笛吹市出身の飯田光紀選手(25)。22日の開幕に向けた意気込みや、「戦友」への思いを聞きました。
■サッカーから転向 大学でも主将務める
飯田選手
「僕自身、(リーグワンは)大学のときにプレーしたかったので、そこでプレーできるうれしい思いと、どこまで挑戦できるかなという思いでいっぱい。チーム全体としてはいい状態で進んでいると思うし、個人としてもすごくいい状態で仕上がっている。いいパフォーマンスができればいい」
飯田選手は小学生の頃、サッカーのUスポーツクラブでセンターバックとしてプレー。全国大会も経験しました。
その後、中学でラグビーを始めると、名門・日川高に進学。2度の花園を経験して副主将に就任し、縁の下の力持ちとしてチームを支えました。
3年生のときには「山梨スピリッツ」にも出演。
Q. 出演したこと覚えています?
飯田選手
「覚えています、7年前。緊張した。(日川高時代は)きつかったが、いい思い出。ランパスが終わった後は、楽しいというよりは達成感がすごかった」
高校卒業後は日大で主将を務めると、3年前にトップイーストリーグ1部(当時)のセコムラガッツへ。
加入2年目の昨季は主将としてチームを全国制覇、そしてリーグワン参入へと導きました。
■屈強なる"小兵フランカー"
屈強な選手が並ぶフォワード陣の中で、ひと際小さく映る体格。身長168センチ、体重85キロとリーグ有数の小兵フランカーです。
飯田選手
「フランカーというポジションだと身長が高い人や体が大きい人、外国人のプレーヤーが多くなってくる。小さいので大きい相手にどうやって勝てるかというのを技術的な部分で模索した」
体格に勝る選手と渡り合うため、磨いてきたのはタックル。小さな体を生かし、低く刺さる日川伝統の技を高めてきました。
飯田選手
「(こだわってきたのは)入る前の準備など基本的なところ。顔を上げたり、踏み込む位置がすごく重要になるので、そこの部分をやりこむ」
日々のトレーニングに真摯に向き合う姿勢も飯田選手の大きな武器。かつてセブンス日本代表としてもプレーしたスコット・ピアス監督も高く評価します。
ピアス監督
「飯田選手はサイズはないが勇気でプレーする。入団したときに小さいサイズの選手は使いにくいと思ったが(入団したその日の練習で)すぐAチームに入って2年目からは主将を任せた。すごく影響力がある、言うことではなくやることで引っ張るタイプ。海外の選手みたいな感じ。グラウンドでのリーダーシップはすごい」
飯田選手
「『プレーで引っ張る』。結構みんな言いがちな言葉だが、そこが一番。毎回の練習で100%出し切って、それがチームに影響を及ぼせればいい」
■高校時代の仲間と戦うために
そんな飯田選手の励みは、同じリーグで戦う同級生、「戦友」の存在。
日川で主将を務め、リーグワン1部の「浦安D-Rocks」でプレーするスクラムハーフ飯沼蓮選手(24)です。
飯田選手
「(飯沼選手は)日本代表の候補にも選ばれているので、自分も頑張らなければ。もっとパワーアップしたい、レベルアップしたい。僕自身小さいので『上のレベルでもやれるよ』というのをフォワードとして見せていきたい」
3部で戦う、狭山のリーグワン元年の今季。目標は2部昇格です。
勝利への強い気持ちと、高めた技術を武器に、「小さな巨人」がチームをさらなる高みへと導きます。
飯田選手
「見ているお客さんに面白いと思ってもらえるようなプレーが自分自身できたらいい。マストで2部に上がることを目標にして戦い、シーズン全体を通し、チームとしても個人としてもいいパフォーマンスを残して2部に上げたい」
リーグワンは22日に開幕。翌週の29日は、リーグワン山梨初開催の試合として、狭山と「マツダスカイアクティブズ広島」が甲府市の「JIT リサイクルインクスタジアム」で激突します。
古里での試合を心待ちにする飯田選手は「地元の人たちに勇気を与えられるようなプレーをしたい」と意気込んでいます。
(「YBSスポーツ&ニュース 山梨スピリッツ」2024年12月1日放送)