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【独自解説】「パーティーは儲けるためではなく寄付行為」自民党元幹事長・石原伸晃氏に徹底質問!派閥とは、パーティーとは、政治資金とは…?さらに首相に緊急提言!「『遺憾』では国民には伝わらない」

2023年12月27日 14:00
【独自解説】「パーティーは儲けるためではなく寄付行為」自民党元幹事長・石原伸晃氏に徹底質問!派閥とは、パーティーとは、政治資金とは…?さらに首相に緊急提言!「『遺憾』では国民には伝わらない」
自民党元幹事長・元派閥トップ 石原伸晃氏

 元自民党の幹事長で派閥のトップだった石原伸晃氏に、政治資金を巡る一連の問題を徹底質問!さらに、「裏金問題」・「支持率低下」の岸田政権に、自身の経験も踏まえて緊急提言!岸田首相に鉄板焼き店での会食で直接伝えた話とは?

“戦友”岸田首相に提言「“永田町用語”では国民に伝わらない」

 石原伸晃氏は、1990年に初当選し自民党に入党。2001年小泉内閣で行政改革担当大臣として初入閣しました。その後、政調会長や幹事長を務め、2012年には山崎派を引き継いだ石原派の会長として派閥を率いました。2021年の衆議院選で落選し、派閥会長辞任し、石原派は森山派となりました。岸田総理とは戦友で同い年だということです。2008年、石原氏が総裁選に出馬した際には岸田総理が推薦人に名2021年の総裁選では岸田総理を支持しました。

 今回の裏金問題について石原氏は、岸田総理との会食で「まずは国民への謝罪が必要だと思う」と伝えたといいます。

Q.“政府として”謝罪が必要だと考えているのですか?
(石原氏)
「政府というよりも自民党の総裁としてです。自民党の1派閥の幹部が政治資金規正法上の法律違反と思われる事態を引き起してしまったわけですから、自民党のナンバーワンとして、『申しわけない』と言われるのがいいと、私は思いました。総理も言っているのですが、“永田町用語”で『大変遺憾でございます』と言っても国民の皆さんには『何が遺憾なのかいな』という感じなのではないでしょうか」

「ノルマはなかった」当時の石原派、「ほかの派閥の台所事情というのは分からない」

 岸田政権の支持率は、最低水準が続いています。石原氏は「安倍派の問題の総決算をやらされてる感じがして気の毒でかわいそう」だと話しています。そして「アメリカのバイデン大統領やフランスのマクロン大統領も(30%~34%)低い水準。岸田総理は芯の強い人だから今後しっかりやってほしい」と語っています。

 2022年の4月ごろ、キックバックをやめる方針を安倍派幹部らで決定し、その後“撤回”されていたということが分かりました。東京地検特捜部は、キックバックを止める方針を決めた経緯、撤回しキックバックを続けた経緯など派閥幹部から詳しく調査しているとみられます。

Q.こういう話を聞くと、安倍派の中でキックバックについて話し合って、情報を共有して撤回したというふうにみえるのですが?
(石原氏)
「私は断定的なことは言えませんが、国民の多くがそう思っていることに間違いないと思います。派閥から一定の寄付をもらったと政治資金として収支報告書に記載すれば何の問題もないわけですから、何に使ったかということを捜査が終わった段階で、嫌疑をかけられた人たちが自身の言葉で話していただければ真相が明らかになると思います」

Q.石原派の時代にこの手の問題はなかったですか?
(石原氏)
「ノルマがなかったです。山崎会長の時代もなかったですし、私は山崎会長の時幹部ですから、自分で自分の能力に見合った派閥の運営費を山崎会長のところにお届けしています。それは私の政治資金管理団体から山崎会長の政治資金管理団体へしっかりと収支報告に則って行っています。今度の問題は、なぜ収支報告をしなかったのか、その資金がどこに行ってしまったかが一番の問題だと思います」

Q.石原派の時代は、こういった裏金を工面しなければいけないほど困っていなかったということですか?
(石原氏)
「閣僚を経験した人は自分で自分の政治資金を集められますが、私自身もそうですが、当選1~2回の人たちは自分だけでは集められないのというのは事実です。政治資金管理団体から政治金管理団体へ寄付をする形で資金を頂きたいと若手から言われたので、限られた金額ですがそういうふうに処理しました」

Q.ほかの派閥の事情というのは、同じ自民党内に居ても分からないものなんですか?
(石原氏)
「ほかの派閥の台所事情というのは分かりません。派閥の会長で集まることはありましたが、『お宅の派閥の懐具合はどんな塩梅ですか?』というような会話は1度も記憶にありません」

Q.安倍派が最大派閥ですが、最大派閥に入ると当選しやすいとか上に上がりやすいとか思うのですが、その点はどうなのですか?
(石原氏)
「政策集団とは、志を同じくする肌合いの合う人が集まって、時の会長を総理総裁に押し上げていこうというのが派閥だと思いますので。そういうことはあるんだと思います」

「パーティという名前だが、寄付行為。遊んでいるわけではない」

Q.派閥のお金の流れというのは、会計責任者に任せていて派閥トップは分からないのか?実は知っているのか?昔からの慣例で“阿吽の呼吸”で言わなくても分かっていたのか?どうなんですか?
(石原氏)
「他派閥のことは詳しく分からないので私の想像ですが、会計責任者からは『パーティー券が何枚売れました。収入はいくらです』ということは派閥の事務総長に報告が行っていると思います」

Q.ということは、キックバックのことも知っているということですね?
(石原氏)
「仮に100万円のノルマがあるとして、120万円A議員の政治資金団体から派閥の政治資金団体に入りました。20万円ノルマを超えているので20万円部分はA議員の方に戻しましょうという取り決めがあったから、こういう話になっていると推測します」

 裏金の使い道として、石原氏は「議員の個人的な趣味や飲食などに充てられている可能性は低いと思う」「選挙費用などに当たる可能性が考えられるが、報告書に書けば問題になっていないので不思議だ」と話しています。

Q.パーティーで集めた「政治資金」は何に使うのですか?
(石原氏)
「パーティーで集めた資金は、政治活動にも使えますし、選挙活動にも使います。選挙期間は法定選挙費用というのが決まっていますので、それ以上の支出はありません。しかし、選挙が始まるまでは、公職選挙法の外ですのでビラをたくさんまくとか、ダイレクトメールを出すだとかしますし、小選挙区と言っても名ばかりで東京23区より広い選挙区もたくさんありますので、秘書の経費や車やガソリン代、また出版物を後援会員に送ったりすると当然費用がかかります。そういうことにあてるのなら政治資金収支報告書に記載すれば何の問題もありません。今回、何で記載しないのかが分からないので、何に使ったんだろうと不思議に思います」

Q.パーティーは儲かるのですか?
(石原氏)
「パーティーは儲けるためにやっているのではなくて、『ドネーション(寄付行為)』ですので、『寄付をして、日本の民主主義を守ろう。この議員を応援して行こう』という人に対して資金を提供するという、パーティー券というカタチを使った“寄付”です」

Q.利益率が8割~9割で食べる物もほとんどないと聞いたりもしますが、それは「パーティー」なんでしょうか?
(石原氏)
「パーティーという名前を使っていますが、寄付行為です。パーティーして遊んでいるわけでは決してないんです。だから利益率が高ければ高いほど、寄付をした側から言うと有効に使ってもらえると考えられると思います」

石原氏提言『政治不信はパーティーの話や安倍派の話だ』みたいに矮小化したら信頼は回復できない」

Q.記載が必要のないお金があるので使い方を疑われてしまうのですが、政治活動費を全部オープンにはできないのでしょうか?
(石原氏)
「政治資金規正法にのっとって公開すべきものは公開していますし、文書交通費もいくら使ったかっていうものを計上していると思うんです。家のローンの返済をしている人がいたとしたら、それは所得税法の問題になりますから、私はそんな事をしている人はいないと思います。自分で、その集まったお金で、どんちゃんどんちゃん大騒ぎしている人もいないと思います。現に私はそんな人の話を聞いたことないですよ」

Q.今回の裏金の問題は、何に使ったか言わないのは、何か悪いことに使ったから言えないのでは?
(石原氏)
「パーティー収入の不記載の問題は、なぜこういうことが起こって、一体何に使ったのか?これを今、その当事者に話せといっても、捜査の最中ですからそれは無理だと思うんです。この捜査は、通常国会の前には終わりますから、そのときに、当事者がこれだけの大金をその派閥の方から政治資金としてこちらにもらったなら、なんでそのお金は記載しなかったのかっていう理由と何に使ったのかってことを明らかにしないといけないと思います」

Q.自民党が必ずすると思いますか?
(石原氏)
「絶対にやらなければいけないと思います」

 石原氏は派閥に対して「派閥とは志を共にしてトップを支えるための集団だが、現在はトップの名前にぶら下がっているだけになってしまっている」と警告しています。また、自民党に対して「若手議員や党内からの追及の声がもっと大きくないといけない」と語っています。

Q. 東京地検特捜部に捜査を任せるのではなく、自民党内の自浄作用を今こそ発揮しないと政治不信になると思うんですが?
(石原氏)
「政治改革の問題は約30年に一度、大きい事件が発生します。古くはリクルート事件、その前は田中金券批判です。リクルート事件の概要が明らかになったのは、私がちょうど初当選の時期で『政治改革、政治改革』で1年生の間ずっと費やしましたけども、事件の概要が明らかになった後、これに対して必ずその若手から声が上がって、『どこに問題があるんだ。こうしよう、ああしよう。選挙制度の問題がある。じゃあ中選挙やめて小選挙区にしよう』となったのですが、今度は、そういう声が上がりにくいのも、この小選挙区で1選挙区1人しか出ないこの選挙制度に私は問題があると思います。やはりこれだけ長い間小選挙区でやって来たんだから、もう1度そこまで含めてパーティー券の問題だけに矮小化しないで、日本の政治の信頼を回復するためにはどういう体制でどういう人間で派閥はどうあるべきなのか。そういうことですねやっぱりもう1度議論をするそういうときに来てるんだと思います」

Q.国民にデジタル化を求めるのだったら、国会議員のお金の出入りもデジタル化したらいいのではないですか?30
(石原氏)
「アメリカのやっているように、デジタルで寄付できるような仕組みを作るのがいいのか?それは幅広く意見をきいて法律として整備するならする、しないならしない。そういうことを1つ1つ丁寧に国民に示していくことが、今望まれているのだと思います。しかし、それをただ一つだけするのではなくて、なぜこういう問題が30年に1回起こるのかということを、真剣に若い人たちが中心になってやるべきだと思います。現に私も経験として、当選1回の時に重鎮の後藤田正晴議員・伊東正義議員の2人が政治改革本部のトップ・セカンドでいて、1人当たり30分以上話をきいてくるわけです。そういう事をやるチャンスに変えていかなければ、『政治不信はパーティーの話や安倍派の話だ』みたいに矮小化したら信頼は回復できないと思います。信頼回復できないということはこの国にとって大きな危機ですから、やはり今こそ声を上げないといけないと思います。総理はそれも考えていると思います」

(「情報ライブミヤネ屋」2023年12月25日放送)

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