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【映像】「6年間苦しんできた」性的暴行を受けた女性検事が異例の会見「公にされたら死ぬと脅された」元大阪地検トップは起訴内容認める

2024年10月25日 17:55
【映像】「6年間苦しんできた」性的暴行を受けた女性検事が異例の会見「公にされたら死ぬと脅された」元大阪地検トップは起訴内容認める

 大阪地検の検事正を務めていた弁護士の男が、当時、部下だった女性に性的暴行を加えた罪に問われている裁判が始まり、男は起訴内容を認めました。被害女性は異例の会見を開き、心境を語りました。

 性被害を申告した北川被告の元部下
「被害を受けてから約6年間、本当にずっと苦しんできましたので、なぜもっと早く罪を認めてくれなかったのか。もっと早く罪を認めてくれていたら、もっと私は早く被害申告できて、この経験を過去のものとして捉えることができて、また新しい人生を踏み出すことができた…」

 性被害を申告した、検察トップの部下だった女性。初公判を終え、今も続く被害者側の苦しみを会見で訴えました。

 25日に始まった裁判で証言台に立ったのは、かつて「関西検察のエース」と呼ばれた男です。

 北川健太郎被告
「公訴事実を認め、争うことはしません。被害者に深刻な被害を与え、深く反省し謝罪したい。検察組織や関係する人たちにも多大な迷惑をかけ、世間を騒がせたことを誠に申し訳なく思っている」

 大阪地検のトップである検事正にまでのぼりつめた弁護士の北川健太郎被告(65)。白色のシャツにネクタイはせず、黒色のスーツ姿で現れ、起訴内容を認めたうえで謝罪を口にしました。

 大阪地検検事正(当時)の北川健太郎被告(2018年)
「本日着任しました検事正の北川でございます。検察の使命は公共の福祉と個人の基本的人権の保障を全うしつつ…」

 起訴状などによると、事件があったのは北川被告が検事正に就任した年である2018年9月。
 大阪市内にある官舎で、酒に酔って抵抗が難しい状態だった女性に対し、性的暴行を加えた罪に問われています。

 事件から6年が経った今年4月。北川被告の当時の部下だった女性が検察幹部に被害を申告。6月に北川被告は逮捕されました。

 逮捕直後、北川被告は「同意があったと思う」などと述べ、容疑を否認していましたが、捜査が進む中、方針を一転。この日、起訴内容を認めました。

 裁判で検察が指摘し、明らかになったのは、犯行の後、口封じのような卑劣な言動があったことでした。

 性被害を申告した北川被告の元部下(検察側の冒頭陳述による)
「知人らとの懇親会後、二次会を断ったものの、被告にタクシーに押し込まれて、官舎に向かった」
「酒に酔って泥酔状態になり、記憶が戻ってきたときには、被告が性行為に及んでいた」

 女性が「帰りたい」と伝えたのに対し、北川被告は…。

「これでお前は俺の女だ」

 こう言って行為を続けたと指摘しました。

 さらに事件後、女性が北川被告に回答を求めた書面には…。

 北川被告(検察側の冒頭陳述による)
「事件が表沙汰になれば、マスコミから検察庁が叩かれ、組織が立ち行かなくなる」

 このように記載されていたため、女性は「自身が所属する検察庁に迷惑を掛けたくないと思い、すぐに被害を申告できなかった」ということです。

 裁判には女性も被害者参加制度を使って、パーティション越しで参加しました。

 一方、北川被告は時折目をつむりながら、検察官らの言葉に耳を傾けていました。

 裁判に出席していた元部下の女性は、涙ながらに被害の実態を訴えました。

 性被害を申告した北川被告の元部下
「検察組織や検察職員を人質にして、私に口止めをし『公にされたら死ぬ』と脅され、私は被害申告できませんでしたので、認めたとしても私の処罰感情が和らぐはずもありません」

 検事としても、会見を開く理由を述べました。
  
 性被害を申告した北川被告の元部下
「性犯罪の本質を正しく理解していただき、性犯罪被害者の過酷な実態を正しく知っていただくことで、性犯罪を撲滅したいという思いから会見を開くことにしました」