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【独自解説】今治ピアノ教師女性、首を切られ死亡 二女の元交際相手の男を“暴行容疑”で逮捕 二人は以前“交際トラブル”も…今後の捜査のポイントは「時系列」

2024年1月29日 18:03
【独自解説】今治ピアノ教師女性、首を切られ死亡 二女の元交際相手の男を“暴行容疑”で逮捕 二人は以前“交際トラブル”も…今後の捜査のポイントは「時系列」
今治ピアノ教師殺害事件 二女の元交際相手を“暴行”の疑いで逮捕

 1月26日、愛媛県今治市でピアノ教師の女性が首を切られ殺害された事件があり、被害者の二女に暴行した疑いで男が逮捕されました。逮捕された男は調べに対し、二女への暴行を認めたうえで、事件当日殺人現場近くを訪れたという趣旨の供述をしているといいます。男は過去に二女と交際トラブルがあったということですが、果たして殺人事件との関連は?そして、今後の捜査の方向性は?元・埼玉県警捜査一課・警部補の佐々木成三氏が解説します。

 1月26日午後6時過ぎ、愛媛県今治市の民家で、ピアノ教師の冨田小雪さん(64)が血を流した状態で発見され、通報がありました。警察が駆け付けたところ、冨田さんは首を切られて死亡していたということです。同じタイミングで、このピアノ教室に通う男子生徒が縛られた状態で発見さましたが、命に別状はないとのことです。さらに、この事件以降、死亡した冨田さんの二女(35)と連絡が取れていませんでしたが、翌27日に隣接する西城市内で保護されました。

 そして、保護された次女が「直前まで一緒にいた」と話していた自称会社員・榊原正道容疑者(34)を、保護された付近を捜査した警察が逮捕。逮捕理由は、榊原容疑者が26日の午後5時20分ごろに事件現場付近で冨田さんの二女の腕を引っ張るなど暴行を加えた疑いです。また、今治市の殺害現場付近にある防犯カメラでは、事件直後、榊原容疑者が立ち去る様子が確認できるということです。

Q.榊原容疑者は暴行容疑で逮捕されていますが、何故暴行容疑なのでしょうか?
(元・埼玉県警捜査一課・警部補 佐々木成三氏)
「内容を見ると警察も“弱い暴行”で身柄を確保しているのが分かります。警察はまず、次女の無事の保護を優先して動いたと思います。その中で、この容疑者を強制的に逮捕できる何らかの違法行為を防犯カメラの捜査で見つけて、暴行で逮捕状を取り、見つけたらすぐ逮捕して二女を保護できるような態勢を取ったのだと思います」

Q.警察も、過去に二人の交際トラブルの相談を受けているので、その辺りの事情はよく分かっていたのでしょうね?
(佐々木氏)
「二女の名前などで相談内容などは分かるようになっていますので、過去に暴行などのトラブルがあったということも踏まえての、暴行での逮捕状執行という形だと思います」

 冨田さんの二女が保護されたのは、自宅のある今治市から車で40分と結構離れています。西条市は榊原容疑者の自宅があるということが分かっています。

(佐々木氏)
「このニュースを見たときに、何故“逮捕監禁”にならないのか疑問に感じました。ただ、続いて出た報道によると、二人が一緒に動いている状態が防犯カメラに映っていたそうですが、強い拘束力を示して二人で動いているということが立証できません。被害者側が監禁されているという認識がないという中では逮捕監禁罪は成り立たないんです。そうなると、何かしらの事情があって次女が容疑者と一緒にいた、精神的な関係による拘束力もあるかもしれませんので、まず二女を保護することを考えないといけなかったのだと思います」

Q.夕方の6時の犯行というのは、かなり自暴自棄に見えますが?
(佐々木氏)
「びっくりしたのは、現場が警察署の目の前なんです。容疑者が土地鑑のある中でこの犯行に及んでいたのだとすると、計画的というより自暴自棄になった・感情的になったという可能性は高いと感じます」

(佐々木氏)
「凶器を自分で用意したのか、現場にあったものなのかは分かりません。ただ、刺したところが首の部分というのを考えると、その行動に関しては明確な殺意があったということです。この事件には分からないことが多すぎます。二女と容疑者がどうして無理やりでなく一緒に歩いていたのか?二女は母親が殺害されたのを知っていたのか?殺害現場にも二女がいたのか?二女はコートを着ていますので、もしかすると帰って来たときに容疑者と鉢合わせになったという可能性もゼロではないと思います。この時系列が重要な捜査のポイントになるなと感じます。」

(「情報ライブミヤネ屋」2024年1月29日放送)