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「信じて投資した」国のお墨付きも…「スマホで買える発電所」うたい違法に集金か 元社長ら6人逮捕

2024年10月30日 18:14
「信じて投資した」国のお墨付きも…「スマホで買える発電所」うたい違法に集金か 元社長ら6人逮捕

 「スマホで買える太陽光発電所」などとうたい、違法に金を集めていたとして、山形県内の会社の元社長ら6人が、逮捕されました。半年間で約12億円を集めていたというこの会社。 環境省が、事業に“お墨つき”を与えていました。

 池田友喜 容疑者
 「新しい価値がどんどんみんなでつながっていくことで、生まれていくのが、コワーキングスペースの醍醐味なんじゃないかなと思います」

 自身の会社が入るシェアオフィスについて意気揚々と語る男。

 泉達也 記者
 「池田容疑者が、サングラスに金髪姿で新大阪駅に姿を現しました」

 30日、預託法違反の疑いで逮捕されたベンチャー企業「チェンジ・ザ・ワールド」の元社長、池田友喜容疑者(47)です。

 池田容疑者ら6人が「スマホで買える太陽光発電所」とうたっていた事業は、巨額の消費者被害が相次ぐ“詐欺的商法”とも呼ばれる手法でした。

 池田容疑者らは、全国100か所以上に太陽光発電の設備を自社で設置。その所有権を、1口約300円から顧客に販売し、発電した電気を売ることで得た利益を顧客に還元する仕組みでした。

 販売した所有権を預かって運用することから「販売預託商法」と呼ばれる手口です。

 しかし実際は、4200億円の被害が出た「安愚楽牧場」や、磁気治療器の販売会社「ジャパンライフ」など、商品や事業に実体がない悪質なケースが相次いでいて、国は2022年6月の法改正で「預託商法」を原則禁止しました。

 そんな中、池田容疑者らは、預託商法が禁止されたあとの2022年6月から12月にかけて、関西に住む40代から50代の男女4人からあわせて約218万円を違法に集めていた疑いがもたれています。

 事件直後の2023年2月、会社は東京地裁から破産手続きの開始決定を受けていました。

 警察によりますと、池田容疑者らは、消費者庁から「違法な可能性がある」との指摘を受けながら、販売促進キャンペーンを行い、新規の顧客を募っていたということです。

 実際に所有権を購入した30代の男性。法改正後に約750万円分を購入し、その後、返金を求めましたが、現在も会社からの返金はありません。

 購入した男性
「会社を信じて投資したところはあるので、法律違反だったというのは悲しいですし、責任をもって返してほしい」

 そして男性を含め、購入の後押しになったのが、この事業を巡っては国が“お墨付き”を与えていたとの指摘が…。

 国がすでに預託商法原則禁止の方針を打ち出していた2020年11月、環境省は、環境課題に取り組む企業として会社を表彰していました。

 購入した男性
「環境省の賞に加えて、いろんな賞を受賞しているということは、投資の後押しになったのは間違いないです」

 警察は、池田容疑者ら6人の認否を明らかにしていませんが、法改正後も3800人から約12億円を違法に集めていたとみて、会社の実態を詳しく調べる方針です。

最終更新日:2024年10月30日 18:14