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【シリーズ・年金密着】年金1か月わずか2万円弱…夫に先立たれ、貯金もゼロ 子供時代から続く超極貧生活から人生大逆転!「年金ユーチューバー」誕生の裏側

2024年5月3日 10:00
【シリーズ・年金密着】年金1か月わずか2万円弱…夫に先立たれ、貯金もゼロ 子供時代から続く超極貧生活から人生大逆転!「年金ユーチューバー」誕生の裏側
あることで子供時代からの極貧生活が一変

 4月15日月曜日は、今年度初の「年金支給日」でした。今回取材したのは、あることで極貧年金ライフが一変したという66歳の女性です。彼女に一体何が起こったのでしょうか?

「年金は払わなくてもいい」夫のアドバイスを鵜呑みした結果、年金支給額は月2万円…「洗濯は手洗い」「お風呂は明るい時間に入る」

一軒家で一人暮らしだという66歳の女性に年金支給額を訪ねてみると…

Q.1か月の年金支給額はおいくらですか?
(66歳の年金受給者)
「1か月2万円弱ですね」
Q.なぜですか?少なすぎませんか?
(66歳の年金受給者)
「主人に言われたことが『年金は先々なくなるし、もらえなくなる可能性が大きいから年金は払わなくてもいい』みたいなことだったんですよ。それで、ずっと年金は払っていなくて…」

 夫のアドバイスでとんでもない結果に。生活を覗くと見えてきたのは驚きの節約術でした。

(66歳の年金受給者)
「今 洗濯機はないです。うちは…洗濯はもうほとんど手洗いですね」
「夜になるまで電気をつけないとか、お風呂も夜に入っちゃうと電気が必要なもんですから、明るい時間に入ってます」

 なぜこんな生活を続けていられるのか?それには、過去の経験が関係していました。

(66歳の年金受給者)
「私が4歳ぐらいの時に 母が家を出てしまって…」

 幼い頃に母親が失踪。金銭的な余裕はなく、生活保護に頼らざるを得ない生活を送っていたといいます。

(66歳の年金受給者)
「囲炉裏とかランプとかでの生活だったんです」

 家の中は電気なし、水道なし、ガスなしの超・極貧生活。家の裏山に流れる湧水をバケツで汲み一日に何度も往復。灯りはランプのみ、薪を拾い、火を起こしていたといいます。

35歳で夫を亡くし、女手ひとつで2人の子育て…波乱万丈人生は結婚後も

 そんな極貧生活を経験した女性は、22歳で2回り年上の園芸業を営む男性と出会い、結婚しました。

(66歳の年金受給者)
「すごく優しい人だったんです」

 しかし、35歳のとき、幸せな日常が暗転します。夫を肺ガンで亡くしたのです。

(66歳の年金受給者)
「2人の子供をこれからどうやって育てようとか、そう言う事を考えるたびに“うつ”じゃないけど体を悪くしちゃって…」

 それでも、家計を支えるため、カーテンの縫製の仕事などをして、女手ひとつで子育てをしてきました。しかし、縫製の仕事は“コロナ禍”で途絶え、年金受給を間近に控えるも月わずか2万円という額に期待はできません。落ち込むことが多くなっていた中、3年前“とあること”を始めました。

「母は人生いろいろあったもんで、少しは気晴らしになるかなと」息子の一言で始めたYouTubeが、人生大逆転のきっかけに

(66歳の年金受給者)
「もともとYouTubeはちょこちょこ見ていたんですけど、楽しそうだしちょっとやってみようかなって思って」

 2021年8月にYouTubeチャンネル『60代未亡人の波乱万丈人生』を開設。ユーチューバーとしてデビューしたのです。貯金通帳や収入の公開など、お財布事情を赤裸々に告白。動画の総再生回数は約2050万回!登録者数は5万人を突破しました。

 YouTubeへの動画投稿は、息子による勧めだったといいます。

(女性の息子)
「母は人生いろいろあったもんで、それをYouTubeで配信すれば少しは母の気晴らしになるかなと思って」

 配信動画は、スマホ2台と三脚を使い一人きりで撮影。動画の編集は息子に手伝ってもらっているといいます。そんなYouTubeが年金・月2万円の生活に転機をもたらしました。

(年金ユーチューバーの女性)
「遺族年金・寡婦年金、全くそういうこと知らずにコメントで教えていただいきました」

 遺族年金とは、厚生年金などに加入していた夫が亡くなった場合、その妻などに支払われるものです。さらに、寡婦年金とは、個人事業主などの夫が亡くなった場合、一定の条件を満たしていればその妻に支払われるものになります。女性は、その存在を知らず視聴者からのコメントをきっかけに手続きをすると、なんと数百万円ものまとまった額のお金を受け取ることができたといいます。

さらに、動画を投稿していると思わぬことに繋がりました。

(年金ユーチューバーの女性)
「自分でカーテン縫ったり、バッグを縫ったり、趣味でやってますっていうことをYouTubeで出したら、コメントで『それだけの技術があるんだったら売ったらどうですか』って言われました」

ミシン歴30年を生かしたバッグ作り。生地選びから裁断、縫製、梱包まですべて一人で行います。販売すると、すぐにオーダーが入る好調な売れ行きだといいます。さらに、夜間のアルバイトをするなど、合わせて月に約12万円の収入で生活しているといいます。YouTubeの収益は、体が動かなくなった時のために全額貯金に回しているそうです。

(年金ユーチューバーの女性)
「応援してくれる人たちもたくさんいるので、登録者数10万人を目標に頑張ります。体続く限り バイトもそうですし、バッグ作りもそうですし、頑張っていきたいです」

Q. あなたにとって「年金受給日」とは?
(年金ユーチューバーの女性)
「大切な猫がいるんですよ。その猫のためにおもちゃを買ったり餌を買ったり、半分ぐらいは猫のために使っています」

 2022年5月、家の近くで弱っていた猫の「りんちゃん」を保護たという女性。

(年金ユーチューバーの女性)
「私が家の中にいる間は、どこでもついてまわります。ほんとかわいいです」

 年金受給日は、「りんちゃん」にとってもうれしい一日のようです。 

(「情報ライブミヤネ屋」2024年4月17日放送)

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