【速報】殺害された女子大学生の遺族「納得できるものではない」 交際相手の男に懲役22年の実刑判決「娘は身勝手に命を奪われ、強い怒りが消えることはない」
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2024年、大阪府枚方市で交際していた女子大学生を殺害したなどの罪に問われている男の裁判員裁判で、大阪地裁がは28日、検察側の求刑通り、懲役22年の判決を言い渡したことを受け、女子大学生の遺族が代理人を通じて、「裁判所は、我々の思いを十分くみとってくれたと思いますが、期間をみれば、納得できるものではありません」とコメントを発表しました。
遺族は代理人を通じて、「娘は身勝手に命を奪われて、犯人はやがて社会に戻ってきます。どんなに無念だろうと娘の気持ちを思うと胸が苦しくなり、犯人に対する強い怒りが消えることはありません」と苦しい胸の内を明かしました。
その上で、「このような事件が二度と起きて欲しくない、このような悲惨な出来事を味わう人がいなくなる社会になってほしいと思います」と訴えました。
■1000万円超の借金&職を転々…事件後にはPC売却した金で“性風俗”利用
西光勝被告(27)は、2024年5月、大阪府枚方市のマンションの一室で、交際していた大学2年生の渡辺華蓮さん(当時19)を包丁で複数回刺すなどして殺害した上、渡辺さんのパソコンやスマートフォンを盗んだほか、盗んだスマホを使って飲食代などを電子決済した罪に問われています。
裁判では、西光被告は渡辺さんに対し「自分は著名な会社に勤め、高収入だ」などとウソをついて交際していたことが明らかになりました。実際には職を転々とし犯行当時は無職で、飲食店で高級シャンパンを注文したツケ払いなど、消費者金融や母親などから1000万円を超える借金を抱えていたということです。
西光被告は事前に「頸動脈どこ」などと検索した上で、渡辺さんに背後から近づき、隠し持っていた包丁で首や腹を切りつけたということで、渡辺さんの遺体には首や腹などに62か所もの刺し傷や切り傷がありました。
事件後、西光被告は渡辺さんのパソコンなどを売却した上で、その金で大阪市内のホテルで性風俗サービスを利用し、その後、「宿泊料金が払えない」などと自ら警察に通報しました。西光被告は「渡辺さんに借金があることを伝え、同意の上で殺害した」という趣旨のウソの内容を書いた手書きのメモを持っていました。
■被告「無職や借金がバレたくなくて…違う男と幸せになるくらいなら」
西光被告は起訴内容を認めた上で、「華蓮さんが違う男性と幸せになるくらいなら、すべて終わらせたいと思った。無職であることや借金があることがバレたくなかった」などと述べていました。
裁判では渡辺さんの両親も証言台に立ち、父親は「娘を失った悲しみは癒えることはありません。被告を一生恨み、許すことはありません。本来なら今年成人式で一緒に酒を飲む予定でした。娘のこれまでの努力、楽しい人生を奪い、どんなに痛く、怖く、寂しかったか、悔しかったか、考えただけで気が狂いそうです。被告に死刑を望みます」と胸の内を明かしました。
検察側は「計画的で極めて残忍な犯行で強固な殺意があり、被害者の命より自分の見栄やプライドを優先し、動機は極めて身勝手で汲むべき事情はない」として、懲役22年を求刑。一方の弁護側は、「自首が成立する」などとして、懲役20年が相当だと主張していました。
■大阪地裁「見栄やプライドのため命を奪うという動機は身勝手極まりない」
28日の判決で大阪地裁は、「1か月以上前に包丁を購入していたほか、事前に『刺されたら死ぬ場所』などと検索するなど、犯行には一定の計画性が認められる」と指摘し、弁護側の主張について「早期の釈放や自らの刑を軽くしようと考えから行ったことで、長期にわたり『殺害の同意があった』と供述していたことからも、申告行為は有利に考慮できない」としました。
その上で、「虚飾に満ちた生活を送り、自分の見栄やプライドのため被害者の命を奪うという動機は身勝手極まりなく、強い非難に値する」として、西光被告に懲役22年を言い渡しました。