×

諫早湾干拓 佐賀地裁、制裁金2万円に増額

2015年3月24日 22:05
諫早湾干拓 佐賀地裁、制裁金2万円に増額

 長崎県の諫早湾の干拓事業を巡り、開門調査をしない国が佐賀県の漁業者などに支払い続けている制裁金について、佐賀地方裁判所は24日、1人あたり1日1万円の制裁金を2万円に増額するように国に命じた。

 諫早湾の干拓事業を巡っては、2010年、福岡高裁で国に開門調査を命じる判決が確定した。しかし、長崎地裁が開門を差し止める仮処分決定を出したことなどから、国は開門調査をしていない。このため、佐賀県の漁業者などは、国に対して開門するまで制裁金を支払うように求め、佐賀地裁は去年4月、2か月以内に開門しない場合、1人あたり1日1万円の支払いを国に命じた。国は不服としたが、最高裁で支払いが決定し、去年6月からすでに1億1790万円が支払われている。

 その後も開門しない国に対して、漁業者などは制裁金を1日1億円に増額することを申し立てていた。

 佐賀地裁は24日、国に対して漁業者など45人に1人あたり1日1万円だった制裁金を増額し、2万円を支払うよう命じた。理由について、佐賀地裁は「漁業者などは生活の基盤にかかわる漁業行使権が侵害されている」などとしている。

 24日の決定を受けて、国は福岡高裁に決定を取り消すように申し立てた。