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【解説】天皇陛下、即位から5年 “令和流”の交流 両陛下を支える愛子さまの成長

2024年5月1日 20:57
【解説】天皇陛下、即位から5年 “令和流”の交流 両陛下を支える愛子さまの成長
天皇陛下が即位されてから5月1日でちょうど5年がたちました。両陛下の5年間の歩みについて、宮内庁担当の笛吹雅子記者が解説します。

■両陛下の5年間

森圭介キャスター
「この5年間は新型コロナウイルスの影響を大きく受けた時期でもありました。天皇陛下が即位されたのが2019年の5月1日です。コロナ禍が始まったのは翌年、2020年の初め頃から。その年の後半からはオンラインでの公務も多くなりました」

「そして、対面での地方訪問を再開されたのが2022年の後半から。今年に入ってからは2度、石川県の奥能登を訪れ、能登半島地震の被災者を見舞われました」

「笛吹さんはずっと取材をしていますが、特に印象に残っていることはありますか?」

社会部・宮内庁担当 笛吹雅子記者
「やはり即位の際の一連の儀式は思い出深いです。その中で印象に残っている両陛下の言葉があります」

■両陛下の印象的な言葉

笛吹記者
「天皇陛下の即位翌年の誕生日の記者会見の際のお言葉なのですが、『上皇陛下のお近くで様々なことを学ばせていただき、準備をしてまいりました』。皇太子としてずっと準備されてきたのを実感しました」

「即位のパレードで涙をぬぐわれる場面もあった皇后さまですが、『多くの国民の皆さまから、思いがけないほど本当に温かいお祝いを頂きました』と、感想を述べられています。『思いがけない』という表現には、皇后になるにあたり温かく迎えられるか不安もおありだったのだろうと思うのですが、『これからの歩みを進めていく上で、大きな支えになってくれるものと思います』と、とても喜ばれていました」

「お気持ちを伝える、この飾らない言葉の選び方も両陛下ならではだと感じています」

■新たな“令和流”の交流も

鈴江奈々キャスター
「こうしたお言葉からも両陛下が、私たちに寄り添ってくださっているのを感じます。一方で、即位されてからは新型コロナの影響で、思うように活動ができない時期も長く続きました」

笛吹記者
「人と直接会って話せない中で、どのように人に寄り添うのか、模索が続いた時期でした。そんな中で、平成の時代を受け継ぎつつ、新たな“令和流の交流”の姿が見えてきました」

「コロナ禍後、再開された外国要人を招いた昼食会では、和食と日本酒の乾杯を新しく始められました。これまでは西洋料理、フランス料理で、大皿に盛ったものを給仕がそれぞれの皿に取り分けるスタイルだったんです」

陣内貴美子キャスター
「むしろ、これまでは日本食を出されていなかったのでしょうか?」

笛吹記者
「そうなんです。両陛下は早くから外国の人たちを和食と日本酒でもてなしたいというお考えをお持ちだったそうですが、コロナ禍があって、少人数での食事再開となった際に、和食の前菜の提供と、江戸切子のおちょこでの日本酒の乾杯が実現しました」

「陛下は各地の日本酒にとても詳しくて、お酒の銘柄を挙げて『おいしいですね』と話されているのを聞くこともあり、私たちも、おお!と思うのですけれども。日本のものでもてなしたいという強い思いを感じます」

笛吹記者
「そして、先日の園遊会では、皇后さまがバッグから飼われている猫の写真を出して招待客と話されました。実は天皇陛下もよく胸ポケットからご自身で撮影した写真を出して、その写真を話題のきっかけにして、会話をされています。割と束で出されるのですが、写真が大切なコミュニケーションツールだというのも、今の両陛下ならではだと思います」

■愛子さまの成長…両陛下の支え

桐谷美玲キャスター
「この5年といえば、愛子さまが成年や就職など、人生の節目を迎えられました」

笛吹記者
「愛子さまの成長は、両陛下にとって本当に喜ばしいこと、両陛下を支える存在になられていると思います」

笛吹記者
「愛子さまは、小学生の時には学校に通うのが難しい時期があり、皇后さまも、適応障害と診断され、長らく療養を続けられてきました。そんな中でも、家族仲むつまじく支え合ってきた、その姿が人々の心に温かいものを点(とも)すのだと思いますし、ご自身も様々な苦労を重ねられてきただけに、人の痛みを知るであろうご一家が、人に寄り添い言葉を掛ける時に、共感を生むのではないかと、感じてきました」

「6月下旬には、両陛下は国賓としてイギリス訪問が予定されています。また新たな国際親善の姿を見せられていくのかなと思います」