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外国人観光客受け入れや“都民割”の再開に期待と戸惑い

2022年6月8日 19:54
外国人観光客受け入れや“都民割”の再開に期待と戸惑い

6月10日から、外国人観光客の受け入れが再開されることを受け、国内で準備が進められています。さらに東京では“都民割”も再開されますが、宿泊施設などからは喜びの声だけでなく、戸惑いの声も聞こえてきています。

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8日、東京・新宿区のチケットショップ「ロータリーギフト新宿西口2号店」を訪ねました。ほとんどの新幹線のチケットが売り切れていました。

こちらの店では、旅行ムードの高まりと共に、レジャー関連のチケットがよく売れるようになり、今年のゴールデンウイークの売り上げは昨年の5倍ほどに増えたといいます。

数あるチケットの中でも意外な売れ筋は、伊豆諸島など東京の離島へ向かう船に使える優待券です。

ロータリーギフト新宿西口2号店 吉田創店長
「東京の離島に行かれる船を運航している(会社の)株主優待券が顕著に売れるように」

優待券は既に完売し、次の入荷も未定だということです。

ロータリーギフト新宿西口2号店 吉田創店長
「“都民割”をご利用されるお客様の利用なのかなと推測しています」

8日、東京都で新たに1935人の新型コロナウイルス感染者が確認されました。感染状況が落ち着く中、10日から試験的に再開されるのが、もっとTokyo“都民割”です。1泊6000円以上の都内の宿泊施設に泊まる場合、1人5000円が補助される都民のための観光促進事業です。

しかし、宿泊施設から聞かれるのは、喜びの声だけではありません。東京・豊島区にあるサウナや風呂が楽しめるホテルでは、都から割り当てられる宿泊数について、“不満”を口にしていました。

サウナ&ホテルかるまる池袋・広報 江尻友里恵さん
「100泊“都民割”でご宿泊いただけるという(都からの)通知です。正直、率直な感想は少ないなというのが第一です」

今回、割り当てられたのは、約2か月間で合計100泊分です。2店舗運営しているため、1店舗あたり50泊分となり、1日で都民割の枠を使い切ってしまうといいます。そのため、都民割の枠は1日あたり数泊ずつ、小分けに販売することを検討しているということです。

サウナ&ホテルかるまる池袋・広報 江尻友里恵さん
「6月10日から一気に販売するのではなく、時期をずらして、密を避けながら(販売)」

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そして、10日から申請が始まるのが「訪日外国人ツアー」の受け入れです。

8日、東京・品川区の旅行会社「JTBグローバルマーケティング&トラベル」で行われていたのは、7日に観光庁が発表した外国人を受け入れる際のガイドラインに関する緊急ミーティングです。

旅行会社のスタッフ
「『マスクを着用しなくちゃいけないの?』という質問があったので、どこで(マスクを)外せてどこで着けなくちゃいけないというのは、絵を使って説明してあげればいいかな」

マスクの着用など感染対策を徹底させる立場となる旅行会社ですが、課題となりそうなのが、立ち寄った飲食店で感染者が出た場合の対応です。

JTBグローバルマーケティング&トラベル欧州営業部 曽我美月課長
「レストランの場合は、しっかり座っていただいても移動するケースがあったりしますので、ガイドに(ツアー客が座る場所の)写真を撮っていただくなど、管理していけたら」

濃厚接触者を特定するため、どの場所で食事をしていたかなどを把握する必要があるといいます。

JTBグローバルマーケティング&トラベル欧州営業部 曽我美月課長
「私たちもガイドラインを読み込んで理解した上で、ツアーを再考する必要性があるなと」

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こうした中、外国人の受け入れに期待を寄せていたのは、東京・浅草にある「茶道体験」ができる施設です。

浅草茶禅 竹田理絵主宰
「こちらで、茶道の体験をいたします」

外国人旅行者からの需要も多く、7月には3日間で200人ほどの予約が入っているといいます。

浅草茶禅 竹田理絵主宰
「ガイド様といらっしゃるということで、事前に打ち合わせなどしておきたいと」

浅草茶禅では「ガイドライン」のポスターを貼るなどして、感染対策を呼びかけていきたいということです。