岸田首相 ブラジル訪問の狙い 中国が台頭する中、グローバルサウスとの関係強化へ
岸田首相は、3日から、グローバルサウスの主要国・ブラジルを訪問し、二国間の首脳会談を行います。就任後、初めての中南米の訪問となりますが、その狙いは?
■気候・エネルギーや食料安全保障で連携強化
今年、G20議長国を務めるブラジルは、再エネ先進国で資源も豊富です。また、日本は大豆や鶏肉などをブラジルから多く輸入するなど、食料安全保障の面でも重要な国です。今回の訪問を通じ、気候・エネルギーや食料安全保障の課題について、連携して取り組むことを確認したい考えです。
■中国が台頭する中、「一緒に国際秩序を守る」
ブラジルと日本は、世界最多の約270万人の日系人が住んでいることなどから、これまで友好関係を築いてきました。しかし、近年、中国が影響力を拡大させ、最大の貿易相手国となっています。
ある外務省幹部は「中国の出現で日本とブラジルとの関係はかつてほどの結びつきでは無くなってきている」と話します。また別の外務省幹部は、ブラジルについて「中国やロシアとBRICSでつながっている国。一方で、日本とブラジルは自由と民主主義などの共通の価値を持った国である」と指摘。その上で、今回の訪問の狙いについて「"一緒に国際秩序を守る"というメッセージを出す」ことだと明かしました。
■日本企業も同行し、官民でブラジルとの連携強化
今回、首相のブラジル訪問には、40社以上の日本の企業が同行し、ルラ大統領への紹介を行うなどの経済イベントも行われます。官民でブラジルと連携強化を図りたい考えです。