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北朝鮮が弾道ミサイル発射 “1時間以上飛行”新型「火星17」か…

2022年3月24日 21:35
北朝鮮が弾道ミサイル発射 “1時間以上飛行”新型「火星17」か…

防衛省は24日午後、北朝鮮から「弾道ミサイルが発射された」と発表しました。ミサイルは1時間以上飛び続けました。専門家は今回のミサイルについて、「2020年に軍事パレードで公開された火星17とみられる」と分析しました。

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「弾道ミサイルの可能性あるもの。午後3時35分青森県沖EEZ内に落下の見込み」

24日、午後3時25分ごろ、突然の一報が入りました。

日本の排他的経済水域内に弾道ミサイルが落下する可能性に、政府も対応に追われました。

記者
「EEZに落下する見込みとの情報が」

岸防衛大臣
「これから会議ですから」

そして、弾道ミサイルは午後3時44分ごろ、北海道の西約150キロに落下したとみられると発表されました。

北朝鮮が発射したミサイルについて、午後4時20分ごろ、鬼木防衛副大臣は――

鬼木防衛副大臣
「北朝鮮は本日24日14時33分頃、北朝鮮西岸付近から一発の弾道ミサイルを東方向に向けて発射しました。発射された弾道ミサイルは約71分飛しょうし、15時44分頃、北海道の渡島半島の西方約150キロの日本海、我が国の排他的経済水域内に落下したものと推定されます」

午後2時33分ごろ、北朝鮮から発射された弾道ミサイルは、午後3時44分ごろ、日本のEEZ(=排他的経済水域)内、北海道の渡島半島の西約150キロの日本海に落下したとみられると発表されました。韓国軍によると、平壌の順安一帯から発射されたということです。

鬼木防衛副大臣
「飛しょう距離は約1100キロ。最高高度は6000キロメートルを超えると推定されます。今回の弾道ミサイルが、2017年11月のICBM級弾道ミサイル 火星15の発射時を超える、約6000キロメートル以上の高度で 飛しょうしたことを踏まえれば、今回発射されたものは新型のICBM級弾道ミサイルであると考えられます」

そして、韓国大統領府は、発射されたのは、ICBM(=大陸間弾道ミサイル)だったと断定しました。鬼木防衛副大臣によると、航空機や船舶からの被害報告等の情報は確認されていないということです。

G7(=主要7か国首脳会合)に参加するため、ベルギーに到着した岸田首相は――

岸田首相
「国際社会が平和と安定において大きな議論を行っている最中での、 こうした北朝鮮の暴挙は容認することはできない。(今回の弾道ミサイル発射は)安保理決議に違反するものであり、強く非難しています」

北朝鮮への制裁を含めた対応については、「日米韓など関係国と連携をとりながら対応していく」としました。

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約1時間11分飛び続けた今回の弾道ミサイル。

金沢工業大学虎ノ門大学院 伊藤俊幸教授(元海上自衛隊・海将)
「パレードで一番大きな、今まで見たことない大きいICBM、火星17、今回これを撃ったんだろうと」

専門家は、2020年に軍事パレードで公開された火星17と分析しました。

金沢工業大学虎ノ門大学院 伊藤俊幸教授(元海上自衛隊・海将)
「飛行時間と飛距離は相関関係にある。飛ぶ距離が2000キロくらい伸びてる。1万6000キロ以上飛ぶミサイルを『飛ばすことができたぞ』という実験をしてみせた。アメリカがウクライナにかかりきりになってる状態ですから、『こちらもちゃんと見てちょうだいね』と言わんばかりに撃っていると」