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「ステマ」法規制へ……何が問題? インフルエンサーの宣伝で“ランキング20位アップ”も 41%が「依頼された」

2022年12月28日 10:36
「ステマ」法規制へ……何が問題? インフルエンサーの宣伝で“ランキング20位アップ”も 41%が「依頼された」

広告と明らかにせずに商品の宣伝をするステルスマーケティングを巡り、消費者庁が初めて規制に乗り出すことになりました。売り上げアップが見込まれるため、企業にとって効果は大きいとみられ、インフルエンサー頼みにもつながっています。

有働由美子キャスター
「インフルエンサーだという人の、あるインスタグラムの投稿を見てみます。バストアップのサプリメントだと写真を載せて『無添加で嫌なにおいもないしとても飲みやすい』と書き込んでいます。ただこれは、商品の販売会社の依頼でした」

「このように、広告と明らかにせずに商品の宣伝などを行うことを、ステルスマーケティング(ステマ)と言います。その規制に、消費者庁が初めて乗り出すといいます」

■禁止のアメリカでは「だます行為」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「私たちの周りに、結構ステマはあるようです」

「グルメサイトで好意的な口コミが並んでいると思ったら、裏で店がお金を渡していた。商品を絶賛する口コミが目に飛び込んできたが、メーカーが個人になりすましていた。専門家が公平な立場で商品の意見を述べているかと思ったら、報酬を受け取っていた…」


有働キャスター
「パッと見たら分からず、度が過ぎると『あ、これステマかな』と疑うかどうかという感覚です」


小野委員
「そこを巧みに突いてきます。そのためアメリカでは、ステマを『人の目をごまかしてだますような行為』として禁止しています。広告だと分かっていれば、ある程度誇張も含まれているだろうなと考えて商品を選べます」

「ただ広告だと知らないと、口コミや専門家のお墨付きがストレートに響いてきます。合理的な選択ができなくなることに問題があります」

有働キャスター
「今、ステマは増えている感じがします」

小野委員
「企業にとって効果が大きいようです。消費者庁の調査によると、広告代理店の担当者は『広告だと表示しない方が売り上げが20%確実に増える体感がある』『インフルエンサーに依頼すると、売り上げランキングが一気に20位上がることもある』と話しています」

有働キャスター
「それでインフルエンサー頼みになってしまうということですか…」

小野委員
「インフルエンサー300人に消費者庁が調査をしたら、41%がステマを依頼された経験があり、そのうち45%が実際に依頼を受けていました」

有働キャスター
「多いですね」

小野委員
「こうした実態も踏まえ、消費者庁は今後、企業などが関与していながら『広告』や『㏚』といった文言を明示していないステマがあれば、規制の対象にする方針です。対象はあくまで広告の依頼主で、書き込みをする方ではありません」

■「信用を失う」…ルール作りの大切さ

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「Amazonなどで買い物はたくさんしますが、レビューは全く見ていません。あまり信頼できないというよりは、僕に合うかどうかはレビューは教えてくれないなと思っています。人とは違う使い方をするのがほとんどだからです」

「例えばカメラのグリップを買うとしたら、一般的には横に付けますが、(僕は)縦向きに付けるので、レビューの内容と違います。レンズも(本来の組み合わせとは)違う型番です。人と違う使い方をする時に、ほとんどレビューは役に立たないと思います」

有働キャスター
「失敗したな、違ったな、とはなりませんか?」

落合さん
「返品できるものはしますし、そうでないものはそのまま使うこともあります。有働さんの属性に適した人がレビュー書いているわけないですよ」

有働キャスター
「そういう人だと分かればいいですが、分かりませんからね。とはいえ、口コミやレビューを頼りにしてしまうのも仕方ないので、正直にレビューしている人たちのためにも、ステマはアウト、やったら信用を失うというルール作りは大切だと思います」


(12月27日『news zero』より)

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