マスク氏、ツイッターCEOを「退くべき」57%――ナゼ投票? 巨額赤字、広告減…「批判を和らげ立て直しに集中」の見方も
苦境に立たされる米ツイッター社。CEOのイーロン・マスク氏が、自らの進退を投票にかけました。「オープンな空間だ」とアピールする狙いがあり、背景には自身への批判があります。結果は「退くべき」が57%でしたが、マスク氏はどう反応するのでしょうか。
有働由美子キャスター
「私はツイッターのトップを退くべきか? イエスか、ノーか。SNS大手・ツイッターのイーロン・マスクCEOが、こんな投票をユーザーに呼びかけました」
「投票は締め切られ、約1750万票のうち『退くべき』という人が57%で、『退くべきではない』(42.5%)を上回りました。マスク氏は、なぜこのようなことを呼びかけたのでしょうか?』
小野高弘・日本テレビ解説委員
「投票した方もいると思いますが、注目したいのはコメント欄です。ある人は『あなたの得意分野ではない。電気自動車や宇宙飛行をやって!』という厳しい声を上げ、逆に『退いてはいけない! ツイッターにはあなたが必要だ!』という方もいます」
「一方で、『退くべきと投票した全ての人がアカウントを停止されるのでは?』と記した人もいます」
有働キャスター
「これは嫌味ですね」
小野委員
「ただ、このように自由な意見がツイッター上で交わされること自体がマスク氏にとってアピールになります。『開かれた言論空間だ』というアピールです。(アメリカの)トランプ前大統領のアカウントを復活させるかどうかも投票で決めました」
「こういった投票を今またやったのは、マスク氏に批判が集まっているからです」
「マスク氏の取材を担当する記者のアカウントを突然停止したり、フェイスブックやインスタグラムなど競合するSNSへ誘導するようなツイートを禁止すると発表したり。こうした手法が批判され、それぞれ(停止を)解除や、方針修正をするはめになりました」
「こうしたこともあって、マスク氏は『オープンにやる』と今回、自分の進退を投票にかけました」
小野委員
「(投票結果を受けてマスク氏が)どういうコメントをするか注目です。CEOの肩書は手放しても、オーナーであり続ける可能性はあります」
「アメリカ国内の大学関係者が、『少しの間、私にツイッターの経営をさせてほしい』と名乗りを上げましたが、マスク氏は『会社は破綻に向け突き進んでいる。それでもやりたいですか?』と返信しています」
有働キャスター
「私以外にできる人いないでしょ、という裏返しにも聞こえます」
小野委員
「今、マスク氏の頭にあるのはお金です。ツイッター社は1日5億円の赤字を出しているともされています。マスク氏への批判で広告主の撤退も相次いでいます」
「そこで自分は表から一歩身を引き、批判を和らげて、財政の立て直しに集中するのではという見方もあります。今回の投票もそのために利用している可能性もあります」
有働キャスター
「こうして話題を作り続けていること自体、マスク氏の手法なのかなとも思えてきますが、退くべきという多数の声を受けて今後どうするのか。日本にも利用者が多いので気になります」
(12月19日『news zero』より)