【解説】ツイッター“偽アカ”続々…有名人・有名企業に“なりすまし” 元従業員「Webが維持できる規模じゃない」
■有名人・有名企業の「偽アカウント」続々…「認証バッジ」でなりすまし
有働由美子キャスター
「ツイッターアカウントの「なりすまし」ですが、こういうことが起きています」
◇アメリカのNintendo(任天堂)が、“侮辱的なサイン”をしているマリオの画像を投稿
◇NBAのスーパースター、レブロン・ジェームズ選手が、『私はトレードを求めている』と投稿
◇トランプ前大統領が、イーロン・マスク氏に“皮肉”を投稿
有働由美子キャスター
「どれも『認証バッジ』がついているので、本物だとだまされた人もいると思うんですが、なりすましの偽アカウントです。小野さん、なんでこんなに次々と『偽アカ』が出てくるのでしょうか?」
小野高弘・日本テレビ解説委員国際部デスク
「なぜかというと、ユーザーは月額サービスに加入さえすれば、つまり、お金さえ払えば『認証バッジ』を得られるようになりました。それで(認証)バッジつけて、有名人・有名企業になりすますユーザーが出てきているわけです。トランプ前大統領の名前のアカウントをわずか2時間で開設できた人もいたそうです。でも、これだとなんでもありになってしまいます。『これはマズい』ということになって、ツイッターも対策として、偽モノは凍結をした上で、今『認証マーク』をもっている人のアカウントは、名前の部分をいじれなくするようにしたと」
有働キャスター
「そうすると、今のアカウント名がずっと変えられなくなってしまうということですか?」
小野解説委員
「それはそれで、お店など困るじゃないですか。ITジャーナリストの石川温さんに尋ねたところ、『そこは、ツイッター社が世間の反応を見ながら修正して、アカウント名も変えられるようになるのではないでしょうか。ただ、認められるアカウント名は、本人の名前や企業名だけになるんじゃないでしょうか』とおっしゃっています」
■「145人のチームが7人に…」 元従業員が話したツイッターの今
有働キャスター
「この『認証バッジ』だけでも、あっちやこっちに方針がフラフラして…、どうなっちゃうんでしょうね」
小野解説委員
「アメリカでツイッターから解雇通知を受けた人に話を聞けたのですが…」
有働キャスター
「はい」
小野解説委員
「『アプリのトップクリエーターら145人のチームが7人になっちゃった』と」
有働キャスター
「うわ、たったの…」
小野解説委員
「『これじゃあWebが維持できる規模じゃありませんよ』『コンテンツの監視は複雑で専門のチームが必要なのに、イーロンはその多くを手放した』『「いいね!」を1人が押すと、4000件「いいね!」がつくなどの不具合なども生じている』といいます」
小野解説委員
「専門家なども先行きを心配しています。SNSなどのサービスに詳しい成蹊大学の高橋暁子客員教授は、『今はツイッター自体、話題になっているので、いったんユーザーは増えている。ただ、今後は従業員削減の影響で、カスタマーサービスで不具合が起きたり、あるいは、差別や誹謗(ひぼう)中傷への対策がいいかげんになったりする可能性がある。そうなると、企業はツイッターを使いづらくなるだろう。個人も不快な思いをした人は離れていくでしょう。ツイッター、“黄色信号”がともるかもしれませんね』とおっしゃっています」
有働キャスター
「イーロン・マスクさんといいますと、電気自動車の事業を、困難を乗り越えて軌道に乗せた方ですが、ツイッターが相手にしているのは人の心です。ユーザーをないがしろにすればビジネスも破綻するということは、マスクさんもお分かりだと思いますが」
(11月28日放送『news zero』より)