従業員に「インフレ手当」 1割以上の企業が支給または支給予定
物価の高騰が続くなか、従業員に「インフレ手当」を支給または支給予定の企業が1割以上あることがわかりました。
帝国データバンクの調査によりますと、物価高騰を受け、従業員にインフレ手当を支給した企業は6.6%で、支給を「予定している」企業の5.7%とあわせると、1割以上あることがわかりました。
「検討している」と回答した企業も14.1%ありました。
「予定」や「検討中」も含め、支給に前向きな企業に方法や額を尋ねたところ、「一時金」が66.6%、「月額手当」が36.2%でした。
一時金の額で最も多かったのは「1万円から3万円」で27.9%、次いで「3万円から5万円」と「5万円から10万円」が21.9%で、「15万円以上」も7.3%ありました。「月額」の支給額は平均6500円でした。
支給の理由については「生活が困窮しないように」といった実質賃金の減少を補う目的のほか、「モチベーションアップ」「人材流出の防止策」などの理由も挙がりました。
一方、「支給しない」と答えた企業からは「インフレで営業収支が悪化しており、そちらの対策が優先」「コスト上昇を価格に転嫁できないなか、手当を出すことは難しい」といった切実な声もありました。
帝国データバンクは「本来、物価の上昇分は特別手当ではなくベースアップとして賃金に反映するのが望ましいが、業績が厳しいなか、手当という形で支給する企業が増えるのではないか」とみています。