宗教2世問題 「地獄に落ちる」「友達禁止」は“虐待”――厚労省が初の指針 児童相談所へ相談しやすく…「一時保護」も

いわゆる宗教2世の問題を巡り、厚生労働省が初のガイドラインをまとめました。信仰の強制や、教義を理由にさまざまな自由を奪う行為は虐待に当たると示し、大きな前進となりました。通達などを通じ、今後は児童相談所などの対応が大きく変わりそうです。
■「友達になってはいけない」も虐待
有働由美子キャスター
「『信仰しないと地獄に落ちる』と恐怖を刷り込んだり、教義を理由に進学先を制限したり…。宗教団体の信者が自分の子どもにこうした行為をするのは虐待に当たると、厚生労働省がガイドラインで示すことが分かりました」
「いわゆる宗教2世への虐待を巡る大きな前進ですね」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「親が信者で自分はつらい思いをした、という方々がいます」
「民間の団体が宗教2世1000人以上にアンケートをすると、『信仰について疑問を述べるとベルトでむち打ちされた』『信仰しないと病気になって死ぬと言われた』『信者同士でないと友達になってはいけないと言われた』という声が上がりました(出典:チキラボ)」
有働キャスター
「こうしたことが虐待に当たる、ということになるのですね」
小野委員
「そうです。指摘が上がっていた、いわゆる“統一教会”やキリスト教系の宗教団体・エホバの証人の宗教2世などから厚労省が聞き取りも行いました。その上で、こうした行為は虐待に当たると具体的なガイドラインをまとめました」
■児童虐待防止法の4分類で考える事例
「児童虐待防止法には身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の4つの分類があり、これに当てはめようというものです」
「例えばネグレクトなら、宗教の違いを理由に友人との交流を一律に制限することや、高額な寄付で生活費がなくなり、子どもに適切な食事を与えないことなどが該当します」
「心理的虐待というのは、『信仰しないと地獄に落ちる』などと脅して宗教活動を強制する、宗教を理由に進学や就労、結婚などに関して選択の自由を奪うなどです。理由が宗教の教えであろうが、これは虐待だということを認めるものです」