世界“都市総合力”ランキング 「東京」7年連続3位も評価はダウン……明暗を分けた「コロナ政策」 過去最高順位の街は?
世界の主要48都市の総合力ランキングが発表されました。東京は7年連続で3位となりましたが、評価そのものはダウンしました。1位のロンドンも評価はダウンした一方、2位のニューヨークはアップ。各都市の新型コロナウイルス政策の違いが表れています。
有働由美子キャスター
「主要48都市を対象にした、今年の『世界の都市総合力ランキング』が14日、森記念財団から発表されました。1位はイギリス・ロンドン、2位はアメリカ・ニューヨーク、3位は東京でした」
「中国・北京が17位、カナダ・トロントが22位、香港が23位、アメリカ・ボストンが27位、イタリア・ミラノが29位、トルコ・イスタンブールが32位です。(日本から)37位に大阪が、42位に福岡がランクインしています」
「東京は7年連続で3位でしたが、去年に比べて評価自体はダウンしてしまいました」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「主な理由は、日本の慎重な新型コロナ政策です。ランキングはその年の『経済』『居住』『文化・交流』『交通・アクセス』『研究・開発』『環境』の6分野を数値化したものですが、『経済』『居住』『文化・交流』『交通・アクセス』の4つで評価を下げました」
有働キャスター
「6つのうち4つというのは多いですね」
小栗委員
「例えば、去年の5位から10位に下げた『交通・アクセス』。水際対策が影響したためで、今は規制が緩和されたとはいえ、『国内・国際線旅客数』や『航空機の発着回数』の回復の遅れが響いたといいます」
「同じく『文化・交流』分野も、観光客の減少などで(4位から5位に)評価を下げました」
有働キャスター
「感染拡大を防ぐために慎重なコロナ政策を取ったけれど、それで評価は下がったということですね」
小栗委員
「今年のランキングでは、それぞれの都市でのコロナ政策の違いが表れています。1位を維持したロンドンも日本と同様、厳しい水際対策の影響で全体的な評価はダウンしました」
「一方で2位のニューヨークは国内便の回復が他の都市よりも早かったことなどにより、評価はアップしました。11位のUAE・ドバイは観光客の受け入れをいち早く再開したことで、過去最高順位になったということです」
有働キャスター
「新型コロナから命を守るのも大事、経済を回して生活を守るのも大事というなかで、それぞれの都市の選択になりました」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「東京は過ごしやすい都市だなと思います。一方で、世界3位というのは一極集中ゆえの便利さであって、日本全体にとっては課題の表れでもあるかなと思いました」
「食を筆頭に文化が日本の強みだと思うので、地域の活性化を含め、文化を守っていく動きはもっと必要だと思います。(アメリカだと)ニューヨークは経済、ワシントンは政治とあるように、もう少し意図的に分散させていくことも必要かもしれないなと思います」
有働キャスター
「来年こそ、コロナ対策するところはしつつ、日本各地の魅力がさらに見直される年になればいいなと思います」
(12月14日『news zero』より)