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新代表理事に梅澤重雄氏 日本航空学園理事長 女子バスケ・山梨クィーンビーズ

2024年6月19日 21:58
新代表理事に梅澤重雄氏 日本航空学園理事長 女子バスケ・山梨クィーンビーズ
就任の意欲を語る
 バスケットボール女子Wリーグの山梨クィーンビーズの新しい代表理事に、日本航空学園理事長の梅澤重雄氏(71)が就任し、甲斐市の学園内で19日、記者会見を開きました。梅澤氏は2部「Wリーグフューチャー」での優勝、1部昇格を目標に掲げました。

■施設を提供 学園がクラブの拠点に

 梅澤氏の代表理事就任は5月21日付。2013年の代表理事就任以来、クラブを再建してきた元副知事の芦澤薫氏(76)は特別顧問となります。

梅澤代表理事

「芦澤理事は行政、 企業、ファンの集合体として(クラブを)ここまで仕上げた。本当に大変だったと思う。ゼロから作る厳しい時期に、練習場を探し、選手を探し、選手の勤務先を探し、スポンサー企業を探してきた。これまでのご努力に心から感謝申し上げたい」

 梅澤氏とクラブのつながりは、2015年に完成した学内の体育館をきっかけに始まりました。

梅澤代表理事

「本学で体育館を造るときに芦澤代表(当時)が来られた。『これから造るなら、プロバスケットボールチームの練習場も一緒に造ってくれないか』と。『じゃあもう1つバスケットコートを造りましょう』と言ったら、『事務所も造ってください』『ミーティングルームも…』『夏は熱いのでエアコンも…』と」

 一時は休部も余儀なくされたクラブに、学園側は練習拠点を提供。梅澤氏は日本航空高の部活動の傍らでトレーニングに励む山梨クィーンビーズの選手たちを見てきました。

梅澤代表理事

「高校生とは違う雰囲気。皆一つの学校で勉強している訳ではなく、一つの会社にいる訳ではなく、それぞれ別の会社で働きながら夕方集まって練習する。出身大学も違い、これをまとめていくは大変だが、私は面白いかなと」

■未知の新シーズン 目標は「WIN ALL」

 2023-24シーズン、山梨は14チーム中11位に。Wリーグは新シーズンから2部編成となり、山梨は9位以下の6チームによる「Wリーグフューチャー」に入ります。フューチャーでの優勝を目標に掲げ、1部「Wリーグプレミア」への自動昇格を目指します。

 新体制となった選手たちからは、新シーズンの目標として「WIN ALL」という言葉が提出されたといいます。

「就任して最初の仕事として、選手に目標を決めさせた。去年まではベスト8が目標だったが、私は低いと思った。どうせなら優勝、トップを目指すべきだと。これまで学校長や社長、理事長などを務めた経験によれば、団体を発展させるために一番大切なのは『決意』。優勝すると決意しないと、実行できない。決心をしないとチームは勝つことができない。選手、スタッフはとにかく『WIN ALL』で一致団結しないと。『全て勝つ』とはどういうことか。例え結果で負けたとしても、その試合の中で勝っている部分はある。ここは相手よりも勝った、この部分は勝っていた、としっかり頭に入れてイメージし、それを膨らますことによって勝利が得られる」

■大切なのは「心技体のバランス」と「志」

「心と技と体のバランスを取ることも大事。心だけ作っても技がなければダメ。技があっても体ができていなければいけない。GM(ゼネラルマネジャー)などに聞いたところ、今オフのトレーニングで体が大きくなっている。しっかり栄養をとって、いいトレーニングをして体を作り、技を研究して、いい言葉、明るい言葉で心を作りたい。夢の実現のためには目標を持たなければならないが、その目標は何によって裏付けられるかというと、志。チームにどのように貢献するか、ゲームで貢献するか、団結のために貢献するか、準備に貢献するか。これから選手には会話を通して自覚をしてもらい、少しずつ強いチームにしていきたい。GMやヘッドコーチ、スタッフともしっかりコミュニケーションを取り、意義深い、いいチームを作りたい」

■資金力強化へ意欲 選手の進路先にも

 チーム力強化のため、自身の人脈を生かし、県内だけでなく県外からの資金獲得にも意欲を見せます。

「フューチャー(2部)からプレミア(1部)に昇格するのが(目標の)第1段階。とにかく1つでも多く勝たなければいけない。プロのリーグだから、メンバーや練習機材を充実させないといけない。資金もしっかり得ないと、遠征もあるし、いい選手も集まらない。資金力をつけることでさらにいい選手が集まり、3年ぐらいをめどに全国優勝も狙えるようなチームになるのではないか」

 日本航空高の男子バスケットボール部は、昨夏の全国高校総体(インターハイ)で県勢初優勝。一方で、女子も6月の関東高校体育大会Aブロックで県勢初優勝を飾り、レベルアップを見せています。

「大学などで活躍したら『クィーンビーズに戻っておいで』と私は必ず言う。(バスケ部員にとって)クラブが進路先の一つになるだろうし、山梨を元気にすることに貢献できればと思う」

 また、芦澤特別顧問は新代表理事への期待と、これまでの支援への感謝を述べました。

芦澤特別顧問

「スポンサーの皆様をはじめ、選手の雇用先企業の皆様、後援会の皆様、ブースターの皆様、ボランティアなどで協力していただいた皆さんに本当に支えていただき、ありがとうございました。10年という1つの区切りを迎え、クラブチームはどこも大きな課題を抱え、新しい発想と新しい実行力で取り組まなければいけない時期に来ている。ファンの皆様に約束したベスト8に進出できず、新しいステージでさらに(クラブが)飛躍することを考え、退任する決意をした。(梅澤新代表理事には)これまでもいろんな形で支えていただいた。根無し草の状態から、しっかりとした練習基盤を確立していただいた。発想力豊かで実行力も人脈もある方なので、必ずいいチームにしていただけると思う。この10年間いろんなことがあったが、企業チームに比べて厳しい環境でも、頑張っている選手たちに元気をもらった。これから特別顧問として微力だが尽力したい」

 新体制は選手14人を編成し、石川幸子ヘッドコーチ(45)が続投。初戦はリーグ開幕翌日の10月12日です。

山梨放送