BiSH・モモコグミカンパニー 初めての詩は “鷹” がテーマ 小説の編集者が語る “モモコの文才”
モモコさん初の小説『御伽の国のみくる』はアイドルになりたいという夢を持ちながら、メイドカフェで働く主人公・友美が理想と現実のはざまで、もがき葛藤しながら成長していく姿が描かれています。
■モモコ「“萌え萌えキュン”だけじゃないんだ」
――小説を書こうと思ったきっかけは何ですか?
昔からずっと書きたいっていうのは思っていたんですけど、やっぱり書くことがいろいろ仕事をやってきた中で好きだなって思えたので、書かせていただきました。
――小説を書く上で準備したことはありますか?
メイド喫茶には行ったことはあったんですけど、もう一回ちゃんと秋葉原の雰囲気とか、メイド喫茶をちゃんと見ておきたいなって。ちょっと一人で行くのが照れくさかったので、マネジャーさんに電話して一緒に行ってもらいましたね。メイドさんが言っているセリフとか、お客さんとの距離感とか、そういうのをすごく観察しましたね。“おいしくなぁ~れ。萌え萌えキュン”だけじゃないんだみたいな。メモを取ったりしたのは役に立ちました。
――小説にはモモコさんの実体験も含まれていますか?
結構、想像のところが多いかもしれないですね。昔から空想とか妄想とかが好きだったというのもあるので、この人はどんなことを言うだろうとかは妄想の部分が大きいかもしれないです。
普段はBiSHとして活動し、メンバーの中では最も多くの作詞を手がけているモモコさん。“物書き”としての才能は作詞だけにとどまらず、これまで『目を合わせるということ』、『きみが夢にでてきたよ』の2冊のエッセーも発表しています。
■モモコ「親に見せたら鼻で笑われた」鷹についての詩!?
――いつごろから文章を書くことに興味を持ちましたか?
詩とかを書き始めたのは小学校4年生くらいですかね。日記とかは小学校2年生ぐらいからずっと書いていたんですけど、ちゃんと詩を書きたい。ひとつの作品として詩を書きたいみたいな時期があって、“鷹”についての詩を書いたりとかもありました。“鷹はどんなことを思って空を飛んでいるんだろう”みたいな。“鷹は人間に対してどういう感情を抱いているんだろう”みたいなのを詩にして、親に見せたら鼻で笑われましたね(笑)
――BiSHのメンバーからの反応は?
みんな「サイン書いて」って言ってくれたりとか。少しでもそうやって“サインちょうだい”とか、“本もらえてうれしい”とかいう、興味を持ってくれただけでも、それだけでうれしかったです。
――小説が書店に並んでいるのを見てどうでしたか?
エッセーとかを書いた時とかはタレント本の写真集の横に置かれることが多くて、それちょっと悔しいなとか。小説・文芸の場所に置かれているのを見るとすごくうれしかったです。
――自分で小説に点数を付けるなら何点ですか?
書き終えられて形にできたっていうことが自分的には満点だし、どんなことを感じる人がいるのかわからないけど、世に出すってことは100点のものを出さなきゃいけないとは常々思っているものなので、100点です。
■担当編集者から見たモモコさんの“文才”
今回、モモコさんの小説『御伽の国のみくる」の担当編集者を務めたのは中村孝志さん。初の小説と思えないというモモコさんの“文才”を絶賛しました。
――どんな部分が魅力的でしたか?
主な登場人物たちの細やかな心理の描写。そこがやっぱり、もともといただいた原稿から、そこは完成されていたかなっていう気はしましたね。ご本人はどう思っているかはわからないですけど、端で見ていた編集者の立場から拝見していると、長く歌詞、詩を作られているモモコさんの経験が細やかな描写にはいきているんじゃないかなと思います。
■モモコ「やっぱり一歩踏み込むしかない」
作詞、エッセー、そして小説。書くことにこだわり、小説の執筆という新たな挑戦を成し遂げたモモコさん。そんなモモコさんにメッセージをもらいました。
――これから一歩踏み出そうとしている人たちに向けてメッセージをお願いします
今回、小説を初めて書いてわかったことがあって、今まで小説を書くことがすごく怖かったのって何でだったんだろうって思ったときに無駄に書かないことによって、小説に対しての自分の中でハードルをめちゃくちゃ上げていたっていうのがあって。何がわからないのかをわかることはやっぱり一歩踏み込むしかないんだなと思って、怖いことほど一歩踏み込んでみると意外と肩の荷が下りたりするんじゃないかなって思います。できなくても、できないことがわかったら、それをまた頑張ればいいじゃんって思います。