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入川保則、遺作のギャラ心配で「死ねない」

2011年9月22日 22:21
入川保則、遺作のギャラ心配で「死ねない」

 俳優の入川保則(71)が22日、都内で行われた映画「ビターコーヒーライフ」の製作発表会見に出席した。
 2010年7月に直腸がんが見つかり、延命治療を拒否し余命宣告された入川が、遺作として役者生命をかけて取り組んだ主演映画。入川が演じる福島・白河の喫茶店「ビターコーヒーライフ」を営む元刑事で末期がんを患っているマスターと、20年前に養女として引き取った殺人犯の娘の“親子”の愛情を描いた物語。

 撮影は今月1日に始まり、11日にクランクアップした。
 報道陣から劇中でも余命わずかな役を演じた感想を尋ねられると、「自分と役を完全にダブらせて演じました。でも、縁起が悪いとも何とも思いませんけどね。こういう役を演じたおかげでこっち(自分)の寿命がのびたような気がします」と明るく答えた。
 3月に行ったがん告白会見の時点で、余命半年を宣告されていた。「月に1回検診を受けていて、きょうも会見の前に病院へ行ったんですけど、主治医の先生も『おかしいな、年を越せそうですよ』って不思議がっていた」と苦笑いで報告した。

 作品はこれから編集に入り、年内の上映を予定しているが、「本当は公開まで生きて、舞台あいさつできるといいんでしょうけどね。そこで『遺作です』って言うのも何ですよね。詐欺師じゃないんだからって言われちゃう」と複雑な胸中も明かした。

 葬儀の準備もすべて自身で済ませている。「日にちだけは分からないので予約はできてないけど、あとは全部オッケー」と自身の最期の準備は万端。気がかりなのは本作のギャラのようで「僕のギャラは映画がまともに上映できた時点で支払われるので、まだもらってない。未定なんです。だから、それまでは死ねないね」と裏事情を明かし、取材陣を沸かせた。