×

松ケン、初日舞台あいさつで「幸せな気分」

2012年3月24日 14:41
松ケン、初日舞台あいさつで「幸せな気分」

 俳優の松山ケンイチ(27)、女優の貫地谷しほり(26)、村川絵梨(24)が24日、映画「僕達急行 A列車で行こう」の初日舞台あいさつを都内で行った。

 昨年12月に急逝した森田芳光監督の遺作で、大企業で働くマイペースな青年(松山)と下町の鉄工所の跡取り息子(瑛太)という対照的な2人が、大好きな鉄道を通じて友情を育み、恋に仕事に悪戦苦闘する姿を描くハートフルコメディー。

 大きな拍手に迎えられて登壇した松山は「皆さん、すっきりした顔をしていて良かった。伝わったんだなと思うとこっちも幸せな気分になります」とあいさつ。「ここに監督がいないのは残念ですが、作品に(監督からの)エールがこもっていますので、それが皆さんに伝わったと思う」と喜んだ。

 プライドの高い美人OL役を演じた貫地谷も「本当にこの日が迎えられてうれしいです」とにっこり。森田監督に伝えたい「ありがとう」の思いについて司会者から質問されると、「普段はあまり物事をじっくり考えるタイプじゃないけれど、今回監督に“何か違う、違う”ってダメ出しを繰り返しされて、何がダメなんだろうって自問自答しながら(撮影を)やっていた。そういう環境にいたことが今となってみると幸せ。監督が汗を流しながらもめげずに私にダメ出しをしてくれたことを、ありがたいなと感じています」と思いを伝えた。

 同じ質問に松山は「『人間が真面目に生きているところに生まれてくる笑いをとらえていきたいから、人を笑わせるようとする演技は寒いからやめてくれ』と『椿三十郎』のときから言われていて、今回も言われた。監督の演出に追いつくのが精いっぱいで、今回も追いつけなくて申し訳なかったな。まさかこんなに早く亡くなるとは思わなかったので、まだ(次が)ある、まだあるってどこかで思っていた。そういう演出をアドバイスしてもらってありがたかった」としみじみ。

 人との出会いを大切に、コミュニケーションを楽しみながら、いろんなヒントを得て、作品で表現していくという森田監督の生きざまにも強く影響を受けたようで、松山は「ポジティブなものを森田監督からいただいたのを一番お礼がいいたい。僕は閉鎖的で、人とコミュニケーションするのがおっくうだったりするときもあったけど、監督を見ているとそっちの方がより豊かで、キラキラしているなと思った。今はそっちに近づいているような気がしているし、楽しい。それを教えてくれたのは森田監督でした」と感謝していた。