「館長庵野秀明 特撮博物館」いよいよ開幕
「館長庵野秀明 特撮博物館-ミニチュアで見る昭和平成の技-」(10日〜)のプレス内覧会&開会式が9日、東京・江東区の東京都現代美術館で行われ、“館長”を務める庵野秀明監督(52)、“副館長”の樋口真嗣監督(46)、プロデュースを務めたスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(63)が出席した。
修復されたミニチュアやデザイン画などさまざまな資料約500点を展示し、特撮の魅力に迫る内容。宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」に登場したキャラクター「巨神兵(きょしんへい)」を実写映像化したスタジオジブリの最新特撮短編映画「巨神兵東京に現わる」(企画・庵野秀明、監督・樋口真嗣)も、特別上映として初公開される。
庵野監督は「内容に関しては見てもらうのが一番。自分の目で見て、感じてほしいものがここにいっぱい詰まっています」と胸を張ってあいさつ。
鈴木プロデューサーは、短編映画でキャラクター「巨神兵」を使う許可は宮崎監督に取っているが「内容はまだ見せていない」と不安な現状を報告。「彼にどうやって見せようか」と悩ましい表情を見せ、「お盆ぐらいに見せたら、後戻りできないからいいかなと庵野くんに相談したら、庵野くんは『(展示会)が終わってからでいいんじゃないかな』って言っていた。今、ずっと考えています」と苦笑いで計略を巡らせた。
テープカット後、東京タワーがそびえる特撮ミニチュアステージの前で庵野監督は「現場は現場の中の人しか分からない。その面白さをいろんな人に見てもらいたいという願いを込めて実際に使っている本物を置きました」と思いを語った。
鈴木プロデューサーは「きょう見てあらためて、特撮には東京タワーがよく似合うと感じました」とにっこり。「東京スカイツリーじゃ物足りない?」と取材陣に突っ込まれると、「スカイツリーじゃだめなんじゃないかな〜」とやんわりとした口調で言い切った。
その発言を受け、樋口監督がすかさず「スカイツリーでもいいですよ」とフォロー。庵野監督も「あれもいいタワーですよね」と後に続くと、鈴木プロデューサーも「あれは21世紀の特撮だね」とさりげなく興味を示していた。
「巨神兵」で長編映画を作る構想について問われると樋口監督は「それはもちろん!」と目を輝かせたが、「自分ひとりの願いでは実現できないことなので……」と鈴木プロデューサーの表情を“チラ見”。鈴木プロデューサーは「縁があればできるでしょう」とだけ語り、長編映画化の明言を避けた。