菊五郎ばらす「14年前の写真使いまわし」
国立劇場平成28年初春歌舞伎公演「通し狂言 小春穏沖津白浪(こはるなぎおきつしらなみ)−小狐礼三(こぎつねれいざ)−」
(2016年1月3日〜)の製作発表会が27日、都内で行われた。
“江戸演劇の大問屋”と称される歌舞伎作家・河竹黙阿弥の傑作と言われた同作は、平成14年に国立劇場で上演されて以来、14年ぶりの再演となる。
前作に続き2度目の出演となる尾上菊五郎(73)は、「(14年前の公演を)なんにも覚えていません。ですので、新しい気持ちでつとめさせていただこうと思う」と冗談交じりに意気込み。
同じく、14年ぶりに同公演に出演する中村時蔵(60)は、「前回やった役でございますので、より練り上げて面白いものにしたい」と決意を語った。
菊五郎は、とぼけた口調で、「時蔵さんは(役の写真が)14年前の写真(の使いまわし)なんですよね、全然変わりがなくてびっくりしちゃうよ。国立劇場がお金がかかるから写真撮らないでくれって」と、劇場の懐事情をオープンに。時蔵は「すごいことをばらしますね〜」とタジタジになりつつも、時間がなくて撮影ができなかったと弁解した。
これから具体的な台本を制作し、演出を詰めていく。
初出演となる尾上菊之助(38)は、「見て『あっ!』とするような気持ちにお客様がなるように、役作りをしていきたい」と緊張感たっぷりに語った。