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文化功労者の仁左衛門、死ぬまで修行

2018年10月25日 23:25
文化功労者の仁左衛門、死ぬまで修行

歌舞伎俳優の15代目片岡仁左衛門(74)が今年度の文化功労者に選出され、このほど都内で会見を行った。

選出の一報には驚いたというが、「身の引き締まる思いです」と晴れやな表情を浮かべる。

1949年9月に初舞台を踏み、1998年に15代目片岡仁左衛門を襲名、来年で歌舞伎俳優として70年の節目を迎える。

舞台に立ち続ける原動力について「ただただ、歌舞伎が好きと言うことですね。もう正直、廃業しよう…という時期もありましたけれども、歌舞伎の魅力から離れられなかったというか、逃げられなかったというか、そして今日まで努力してこられた」と歩みを振り返った。

立役として幅広い芸域で活躍するが、中でも父・13代目片岡仁左衛門から受け継いだ「菅原伝授手習鑑」の菅丞相は大好評を得ている。

13代目も1992年に文化功労者に選出されていることから、「追いついた実感はありますか?」と記者から質問されると「ぜんぜんないですね。芸も人間的にも、先輩達のあのラインには行けない。そういう気持ちの方が大きい」と率直に明かした。

今後の抱負を「古典ものの掘り下げ、演技法の掘り下げ。掘り下げることで、新しい芝居の魅力を歌舞伎をご存じない皆さんに訴えたい」と語り、「言い古された言葉ではありますが、死ぬまで修行。我々に終点はないわけですから、とにかく体力の許す限り、歌舞伎というものを多くの人に伝えていきたい」と前を見据えた。