×

【速報】神戸6歳男児遺棄 危機感ありながらも後手に…市の対応検証する第三者委が対応策の報告書提出

2025年1月24日 13:01
【速報】神戸6歳男児遺棄 危機感ありながらも後手に…市の対応検証する第三者委が対応策の報告書提出
穂坂修くん(当時6)

 2023年6月、神戸市で6歳の男の子の遺体が見つかり、母親ら4人が逮捕・起訴された事件について、神戸市の対応を検証する第三者委員会の最後の会合が24日午後に開かれ、とりまとめた報告書が市に提出されました。

 2023年6月、神戸市西区の草むらでスーツケースに入れられた穂坂修くんの遺体が見つかり、母親と叔父ら4人が殺人などの疑いで逮捕され、その後、傷害致死などの罪で起訴されています。

 事件前、神戸市には「体にあざがある」などと虐待を疑う情報が寄せられていたものの、叔父らに拒否され、一時保護はしていませんでした。

 こうした市の対応が適切だったのかどうかを検証するため、外部の専門家らによる「第三者委員会」が発足。2023年9月から、事件が発生した経緯の分析や再発防止策の検討を進めてきました。

 市が提出した報告書では、区役所や児童相談所など、関係機関の対応の問題点が多数指摘されました。当初、修くんの虐待が疑われるような傷などを把握した保育園が、区役所に対し虐待の疑いを通告。区役所の職員が家を訪れたものの、家族は出ず「48時間以内に安全確認をする」国のルールを守ることができていませんでした。

 保育園が母親など親族から事情を聞き取ったところ、傷について、母親は「自分で転んだ」と主張し、叔父は「自分でたたいた」など食い違う主張をしていました。区や児童相談所は状況を把握していました。

 その後、区役所と児童相談所は家族に対し一時保護を求めましたが、家族による反発を受け、延期が続きました。区役所などは情報を警察と共有できていなかったということです

 区や児童相談所の担当職員は、自宅などで修くんの体に傷を認めたほか、叔父から「修くんが祖母を棒で殴る動画」を見せられるなどし、それぞれが危機感を感じていました。しかし、区や児童相談所の対応はすべて後手に回り、警察と連携するなど強制力のある対応ができていませんでした。

 報告書は、対応の問題の原因は、虐待対応にあたる職員の少なさや、担当者の危機感を吸い上げる仕組みの欠如にあるとしています。

 対応策として、人員強化や縦割りの解消のほか、各機関の担当者の誰か1人でも危機感を覚えた場合には、複数のチェックを設けることや、報告のしやすい組織づくりを挙げました。

最終更新日:2025年1月24日 15:42
読売テレビのニュース