奈良市の霊園で、母親の遺体を遺棄した罪に問われている男の裁判が始まり、男は無罪を主張しました。

　死体遺棄の罪に問われているのは、大阪府吹田市の無職、蔵田隆一被告（71）です。
　起訴状によりますと、蔵田被告は、2024年11月、奈良市富雄元町の霊園で、母親の光さん（当時92）の遺体を土の中に埋めたとされています。遺体は手首が土から出た状態で見つかりました。

　21日の初公判で蔵田被告は「埋めたことは認めるが、母親の命令に従っただけ」と述べました。その上で弁護側は「死体遺棄の故意はない。よって無罪です」と主張しました。

　一方、検察側は冒頭陳述で「スコップで穴を掘って犯行に及んだ。埋めた場所に砂をかけ、トンボをかけた」として、隠すための行為をしていて死体遺棄罪は成立すると指摘しました。