【速報】霊園で土の中から手首…92歳母親の遺体遺棄した罪に問われた男 埋めたこと認めるも無罪主張「母親の命令に従っただけ」 奈良地裁
去年11月、奈良市の霊園で土の中から手首だけが出た遺体が見つかった事件で、92歳の母親の遺体を遺棄した罪に問われている男の裁判が21日に奈良地裁で始まり、男は「(遺体を)埋めたことは認めるが、母親の命令に従っただけ」と話し、弁護側は「死体遺棄の故意がない」として無罪を主張しました。
■区画を所有していた男「母親が自宅で亡くなり、遺体を一人で運んだ」
この事件は2024年11月、奈良市富雄元町の霊園内の墓石が建てられていない区画で、女性の遺体が手首が土から出た状態で見つかったものです。
その後、区画を所有していた大阪府吹田市のアルバイト・蔵田隆一被告(71)が同居していた母親の光さん(92)の遺体を遺棄したとして逮捕・起訴されました。
司法解剖の結果、光さんは11月上旬ごろに死亡したと推定され、逮捕後の警察の調べで、蔵田被告は「母親が自宅で亡くなり、遺体を一人で運んだ」という趣旨の供述をしていたということです。
■検察が指摘「下見した上で、スコップで穴をあけて犯行。砂を購入して整地」
20日に行われた初公判で、蔵田被告は「(遺体を)埋めたことは認めるが、母親の命令に従っただけ」と話し、弁護側は「被告には死体遺棄の故意はなく、遺体を放棄したり隠匿したりする行為ではないため、死体遺棄罪にはあたらない」と主張しました。
一方、検察側は冒頭陳述で、「被告は長く定職につかず、母と2人暮らしで、母が自宅で死亡していたのを発見すると、下見をした上で、遺体を車に乗せて、自宅から持ってきたスコップで穴をあけて犯行に及んだ。その後、霊園を再び訪れて、ホームセンターで砂を購入して整地した」と指摘しました。