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“米騒動”いつまで?──秋より高騰、5kgで4000円も 確保競争なお…専門家「品薄感が解消されず」ナゼ【#みんなのギモン】

2025年1月24日 9:09
“米騒動”いつまで?──秋より高騰、5kgで4000円も 確保競争なお…専門家「品薄感が解消されず」ナゼ【#みんなのギモン】
コメにまつわるコンビニや飲食店の商品などで値上げが続いています。スーパーなどのコメの店頭価格も、23日に取材すると高騰していました。新米が出回ることで値段が落ち着くとも期待されましたが、高止まりの背景に何があり、いつまで続くのでしょうか?

そこで今回の#みんなのギモンでは、「“令和の米騒動”今も?いつまで?」をテーマに解説します。

■セブンイレブン、一部商品を値上げ

菅原薫・日本テレビ解説委員
「去年の流行語にもなった“令和の米騒動”ですが、何となく『今も続いているんじゃない?』という感じはしませんか? 確かにコメが買えなかった去年の秋の状況とは違いますが、値段が高いままという実感はありますか?」

森圭介アナウンサー
「去年の段階で『来年は落ち着く』と言われていた気がしますけどね」

桐谷美玲キャスター
「『相変わらず高いな』とは思っているんですけど、『もう戻らないのかな』とちょっと諦めモードに…。受け入れています」

鈴江奈々アナウンサー
「大分続いていますもんね」

菅原解説委員
「ここ最近、去年の年末くらいから、身近なコメにまつわる商品の値上げが相次いでいます。セブンイレブンは20日、おにぎりや弁当など一部商品を値上げすると発表しました」

「『塩むすび』は27日から順次、税抜き108円から128円と2割アップに。『若鶏のジューシー唐揚げ弁当』は2月10日から順次、税抜き530円から580円になります」

■はま寿司は半数の商品を値上げ

菅原解説委員
「またコメが欠かせない回転寿司(すし)では、はま寿司が去年12月24日から『いくら』や『活〆まだい』など約半数の商品を、税込み165円から176円などに値上げしました。国内の約620店舗全てで値上げということです」

■食品メーカーやファミレスでも…

菅原解説委員
「さらに、日清食品は『カレーメシ』など即席カップライスを4月の出荷分から約11%値上げ。ニチレイフーズは、2月納品分から冷凍チャーハンなど(の価格)を約10~30%引き上げます」

「ファミリーレストランのデニーズでは、ライスを税込み44円値上げしたほか、モーニングとランチの増量無料サービスを昨年12月に終了しています。これら全て、最近のコメの価格高騰が理由とされています」

森アナウンサー
「私がよく行くラーメン店は、必ずラーメンにライスが無料でついてきましたが、別で有料になってしまいました。影響が出ているんですよね」

桐谷キャスター
「家庭だけではなく、いろんなところに影響しているんですね」

■「相対取引価格」前年の1.5倍に

菅原解説委員
「農林水産省によると、卸売の業者に主食用米が販売される際の『相対取引価格』(平均値)が2024年産は60kgあたり2万3715円となり、前の年と比べて約1.5倍に跳ね上がりました。比較可能な2006年以降、過去最高値となりました」

■スーパーや道の駅の店頭価格は?

忽滑谷こころアナウンサー
「コンビニや飲食店などでは値上げということですが、我々が家でコメを食べる時、スーパーでの価格はどうなっているんですか?」

菅原解説委員
「23日、都内・埼玉・神奈川のスーパーや茨城の道の駅で取材しました。去年10月末時点では、品薄は解消されつつありましたが、各店で5キロで3000円を超えていて、高いなと実感している方も多かったと思います。2か月半たった今、どうなっているのでしょうか」

「都内のスーパーは4000円くらいまで上がっていて、前の年の同じ月と比べて2倍近くになっていました。埼玉や神奈川のスーパーでも1.5倍、茨城の道の駅では1.4倍~1.6倍でした。むしろ値上がりしているんですよね」

森アナウンサー
「去年の秋より上がっているんですね」

鈴江アナウンサー
「去年の秋頃には、品薄もそうですが、値段も新米が回ってくると落ち着くのではないかなという見立てもありましたよね」

森アナウンサー
「品薄で高いんだったらわかるんですけど、今はあるじゃないですか。あるのに高いのは理由があるんですか?」

■専門家に聞く…“高止まり”の背景

菅原解説委員
「コメの流通に詳しい宇都宮大学の小川真如助教に聞きました。大きな要因として、コメの品薄感が解消されていないことがあるといいます」

「コメの業者は今の時期、新米と古米の両方でやりくりをしているそうですが、去年の夏にたくさんコメが売れてしまった結果、今年は1年古い古米が去年の半分程度しかない状況です」

「こうした状況で、生産者である農家には、今まで付き合いのない、来たことのない業者や消費者から直接『売ってほしい』と相談やお願いが来ているといい、確保競争に拍車がかかっている状況です。現在の価格高騰は過熱気味と言えるそうです」

■今年は生産面積が増える見込み

桐谷キャスター
「今後も高止まりは続いていくんですか?」

菅原解説委員
「そこが一番気になるところかと思いますが、少し希望が持てる話も出ています。小川助教は『早ければ春頃から価格が落ち着いて、6月頃から下がるのではないか』とみています」

森アナウンサー
「6月というのは結構先ですね」

菅原解説委員
「去年のコメ不足を受けて今年は生産面積が増える見込みで、早ければ6月~7月くらいから、新米の産地で順調に米がとれれば値段が下がるのでは、と予想しているそうです」

「ただ小川助教は、コメの需要が予想を上回ること、政府のコメ政策が不透明なことによりコメの価格が荒い値動きになってしまう可能性もあるとみています」

鈴江アナウンサー
「政府の政策が問われています。お米は特別なものだから特別な政策がとられ続けている中で、去年の騒動がありました。私たちは物価高で日々いろいろ工夫しているので、大きな乱れがないようにうまく調整していただけたら助かりますね」

菅原解説委員
「コメは私たちの食卓に欠かせませんし、日本人にとって特別なものです。まずは去年のような混乱が起きないように、安心して買って食べられるような体制を、関係者で協力してつくっていってほしいと思います」

(2025年1月23日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】

身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト

最終更新日:2025年1月24日 9:09