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米の価格高騰で今後の見通しは?備蓄米は?(静岡)

2025年1月31日 18:23
米の価格高騰で今後の見通しは?備蓄米は?(静岡)

2024年から続くコメの価格高騰ですが、収まる気配がありません。

そのため政府は備蓄米を販売することを検討していて先ほどから開かれている審議会で方針が示される予定です。これによりコメの価格は安定するのでしょうか。

2024年、“令和の米騒動”と言われたコメ不足による価格高騰。
新米が出回れば価格も落ち着くことが期待されましたがいまだ高騰は続いたまま…

さらに、コメを使うコンビニや飲食店の商品なども値上げが続き、セブンイレブンはおにぎりや弁当など37商品の値上げを発表。
『塩むすび』は2割もの価格アップとなります。

さらに、ニチレイフーズも2月納品分から冷凍チャーハンなどの価格をおよそ10~30%引き上げます。

影響は静岡市のスーパーでも…

(田子重・店長コメント)
「一部の商品ではございますが、1割から2割ぐらい、値上げした商品があります」
「一番高いので、税抜きで3980円。5キロで3980円」

こちらのスーパーでは、コメの価格は去年の同時期に比べて6割から7割ほど値上げしたということです。
さらに供給量も十分ではないといいます。

(田子重・店長コメント)
「今は一部の商品が、割り当てで入ってきている状況ですから、欲しいだけ発注しても入らないということで、品切れするような状況です」
「去年の8月とか9月のように売り場からお米が全くなくなってしまうっていうのが一番心配している事です」

買い物客は…

(買い物客の男性)
「思ったよりちょっと高いので、どうしても他のものを買ったり、ちょっと代用品でカバーするって感じです。」

(買い物客の女性)
「まあ多少上がるのはしょうがないけど、ちょっと上がりすぎかな~と思いますね/前に戻らなくてもいいけど、もうちょっと安くなっていいなと思いますね」

影響は、大量のごはんを扱う弁当店でも。

静岡市にあるこちらの店では1週間に42キロのコメを仕入れているといいいますが、その値上がりは想定以上の凄まじさで…

(たんぽぽ 鈴木綾子さんコメント)
「1キロ450円から550円になっかのが、近々の値上げの状態で、さらにきのう(仕入れ先から)値上げの話をいただいているので、さらに上がってくるという事で(値上げ前と比べると)トータルで2倍以上になっている」

弁当には欠かせないコメの仕入価格が2024年8月から11月までのわずか3か月でなんと2倍になったというのです。

さらに追い打ちをかけるようにコメ以外の食材も相次いで値上がりしたため、弁当などを30円から150円値上げする苦渋の決断をしました。

新米が出回ればコメの価格も安定すると期待されましたが1月、農林水産省が新米の12月の取引価格が比較可能な2006年以降過去最高を更新したと発表するなど高騰は収まることを知りません。

宇都宮大学農学部の小川真如助教は価格高騰の理由についてコメの品薄感が解消されていないことが大きな要因だと話します。

(小川助教コメント)
「昨年のお米の収穫量としては国民が食べる分には十分足りているが、流通段階で言うとやっぱり米の品薄感というのはまだまだあるというような中で米の集荷競争が過熱した。」

去年は不作ではなかったものの市場では1年前の古米も需要を大きく担っているため全体としては品薄の状況が解消されずいまもコメの争奪戦が起こっているのです。

収まる気配がないコメの価格高騰を受け先週、農林水産省は…

(江藤農水相コメント)
「いつでも状況を見て、食糧法の理念にのっとって、備蓄米の活用ができるという状況にしたい」

政府は米が不作のときでも安定的に供給できるように100万トンの米を備蓄しています。
これまでは生産量が大幅に減った時のみ備蓄米の放出を検討するとしてきましたがコメの高騰が続いていることから、国が将来的に買い戻すことを条件に、この備蓄米をJAなどの集荷業者へ販売できるよう新たな制度を整えることにしたのです。

備蓄米の放出については、さきほどから開かれている農水省の審議会でこのあと、方針が示される予定です。

では、備蓄米が放出された場合、コメの価格はいつごろ安定するのでしょうか?
専門家は…

(小川助教コメント)
「備蓄米が出ると当然下がるだろうということは分かりますけれども、すぐに小売店に影響しないかなとも思ってます」
「どのくらいの量を放出するか、価格条件どのくらいで放出するか、あるいはえ5年間お米を備蓄してますけれども何年産のものが出るか、一切まだ明らかになっていないので非常にこれ 効果を見極めることは難しいという状況」

最終更新日:2025年1月31日 18:23
    静岡第一テレビのニュース