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【生理×防災】災害への備えに必要なことは? 生理の“つらさ”には、親子の間にも“壁”が

2024年8月28日 22:03
【生理×防災】災害への備えに必要なことは? 生理の“つらさ”には、親子の間にも“壁”が
生理の“つらさ”には、親子の間にも“壁”が
9月1日の『防災の日』を前に、生理の正しい知識を学び災害に備えようと、東京臨海広域防災公園で、生理×防災 親子セミナー『もしものために、知識とこころを備えよう』が開催されました。セミナーには、小学生の子とその家族が参加し、基礎的な生理の知識についての座学や、生理用ナプキンの使い方のワークショップなどが行われました。

なぜ、生理と防災のセミナーを開催したのか、セミナーを手がけた吸水ショーツブランド・Be-A Japanの中村千春さんは「最近でいうと、南海トラフの件もあったり、能登半島の地震もあったり、どうしても災害と生理って切り離せないこと。どこにいても、いつ災害にあうかもわからないので、いざ自分がその身になった時に、どういうことができるか事前に想像しておくことで、その時に慌てずに済む」と開催の経緯を語りました。

どのように災害に備えればいいのか? 中村さんによると、日頃から生理用ナプキンや吸水ショーツ、生理痛の痛み止めなどを備えることが大切だといいます。さらにセミナーでは、避難所での犯罪についても言及し「トイレは絶対に大人と行く。おしっこだったり、ナプキンを替えに行くだけであっても、大人と絶対に行動をしてください。すごく悲しいことだけど、避難をしている時に、犯罪者に狙われることがよくあります。悪い人が一緒についてきちゃって、一緒に入ってきちゃって嫌なことをされるということがある。(親しい)大人と行動するっていうのは絶対に覚えておいてください」と呼びかけました。

また、日頃から生理について親子で話し合うことが、災害への備えにもつながるといいます。中村さんは「子供は子供だけで悩んだり、大人の女性であっても自分だけの悩み事として捉えやすいですが、生理っていうのが“タブー視”されやすい話題でも、親子でいつでも話せるということがとても大事。今日みたいなきっかけで親子で会話をしてもらうことがあれば、話しやすい。経験が実体験で生かせていけるんじゃないかなと思いました」と語りました。

セミナーに参加した、12歳と10歳の女の子の母親は「いろいろな災害が増えている中で、もっと男の人にも年齢問わずわかっていただけたら。そういう(学べる)場がもっと増えるといいなと思いました」と語りました。

セミナー後のアンケートでは半数の子が、人によって違いがあることを知れてよかったとコメントしました。

■親子の間にも“壁”が… 生理のつらさは人それぞれ

これまで1000人以上の思春期の生徒や、親子、企業などにセミナーを行ってきた中村さん。親子間であっても、“壁”を感じるといい「例えば、お母さんは(経血の)量が少なくて、普通の日用(のナプキン)でも夜も過ごせちゃうから、家の中には普通の日用しか用意していない。でも子供は量が多くて困っちゃうけど、お母さんに言うとなんでこれじゃないのが欲しいのって言われちゃうと、それ以上にリクエストができなくなっちゃうとか。親子で必ず一緒とは限らないので、お母さんが痛くないのに娘さんはすごくおなかが痛い、休みたい時に、そんなにつらくないでしょって言われちゃうと、すごくつらいんだけど私が怠けているだけなのかなとか、私がなんかダメなのかなっていうふうに子供は思ってしまうっていうのはよく聞く声です」と明かしました。

そのためセミナーでも、「親子であっても、きょうだいであっても、(生理において)全然違うことがあって、違うことが普通」ということを子供だけでなく、親にも伝えているといいます。中村さんは「(今日のセミナーは)親子で聞いてくださったから、隣にいる大人が私はこうとかあなたはこうだよねという声がけをしてくださったことがよかったなと思っています」と手応えを感じていました。