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【防災の日】AKBと被災地を巡り誕生した生理用品 「備える習慣が広がっていくといいなと」

2023年9月1日 6:15
【防災の日】AKBと被災地を巡り誕生した生理用品 「備える習慣が広がっていくといいなと」
生理用品のイメージ(写真:アフロ)
関東大震災から100年を迎えた、9月1日の『防災の日』。台風、高潮、津波、地震などの災害について認識を深め、これに対処する心構えを準備しようというのが『防災の日』です。日常時はもちろん、非常時にも役立つ“フェーズフリー”のアイテムなど、様々な防災グッズが登場していますが、後回しになってしまいがちなのが生理用品です。

■AKB48などの衣装を手がけるオサレカンパニーが開発した“生理用品”

アイドルグループ・AKB48などの衣装を手がけるオサレカンパニーは、これまでアイドルとともに被災地を訪問してきた経験を生かし、5月に生理用品の吸水型サニタリーデイパッドを開発しました。下着の上に取り付けて使用するもので、1枚で約60mlを吸水し、さらに銀イオンを練り込んだ菌の増殖抑制機能を備えた素材や、高い消臭機能を備えた素材などを重ね合わせた5層構造になっているといい、洗って繰り返し使用することができるということです。

■きっかけは…AKB48と支援活動を行った被災地での気付き

開発のきっかけとなったのは、2011年3月の東日本大震災。AKB48グループが展開している『誰かのために』プロジェクトというチャリティー活動に、オサレカンパニーの衣装スタッフが参加し、被災地で支援活動を行ったといいます。

現地で活動に参加したオサレカンパニーの担当者は、当時の様子について「自然災害によって住む場所も失い着の身着のまま避難をする事を余儀なくされた方々にとっては、まずは身の安全の確保・寝床や食事の心配の方が生きていくためには優先事項であり、助け合って日々を生活されていた状況はトイレの状況一つとっても、とても大変さを感じました」と、振り返りました。

さらに、「トイレが少なく生理用品を取りかえられない・生理用品の数が足りない・取りかえた際のゴミを出しにくい・出す場所がないなどの声を多く耳にしました」とし、「ですが圧倒的な声は、そもそも生理用品が満足に手元にないという事でした。その時に漠然と使い捨てではなく繰り返し使えるものがあれば良いのに…と考えました」と、開発の経緯を明かしました。

■生理の時以外にも活用できる『おりものシート』

また、サニタリーショーツブランドを手がけるBe-A Japan(ベア ジャパン)の吸⽔ショーツは、⼀般的に量が多いとされる生理2⽇⽬の平均量30〜50mlをカバーでできる、約60ml〜150mlの吸⽔量を誇ります。ナプキンなどが不要で、はくだけでショーツそのものが液体を吸⽔するため、取りかえ不要で生理⽤品の不⾜に備えることが可能だといいます。

さらに、生理の時以外でも活用可能なのが、おりものシートです。小林製薬によると、ライフラインがストップし、洗濯ができずに毎日下着が取りかえられない時でも、おりものシートを取りかえることで清潔に保つことができるといいます。

■生理用品を防災グッズとして備える習慣を

“災害”といっても近年では、台⾵や豪⾬の影響で新幹線や電⾞の中で何時間も⽴ち往⽣したり、大雪の影響で車が動けなくなるなど、様々な場面が想定されます。

備えることの大切さについて、オサレカンパニーの担当者は「まだまだ、防災グッズの中に生理用品を、という考えは残念ながら広まってはいないように思います。かさばりやすい生理用品をいざという時の最低限の荷物に入れるのは難しいかもしれません。ですが、震災が起こっても、避難生活を送ることになったとしても、私たち女性には必ず生理の日がやってきます。避難先でトイレが使用できないこともあるかもしれませんし、水害などで使い捨てナプキンがダメになってしまうこともあるかもしれません。災害大国日本で生きる私たちと同じ女性の皆様、女の子のお子様がいらっしゃるご両親、そして何よりも、そういった女性が家族やパートナーとしていらっしゃる男性の皆様にも防災グッズに生理用品を備える習慣が広がっていくといいな、と思います」と語りました。