『北斗の拳』40周年 原哲夫「一番描きたかったマンガ」 色あせない作品の魅力
『北斗の拳』は、暴力が支配する世界となった世紀末を舞台に、北斗神拳の伝承者・ケンシロウが愛と哀しみを背負い、救世主として成長していく姿が描かれています。原画展の開催について、武論尊さんは「40年前にタイムスリップしたような気がする。ファンの皆さんの熱い気持ちがあって40年間もちました」とコメント。一方、原さんは「若い頃は自分一人の力で、やっている気になっていましたけど、振り返ってみるといろんな人に助けられていた」と明かしました。
原さんは自身が描いた40年前の原画について「40年たっているんで、少し貴重な感じが出るのでは」とコメント。原画のキャラクターの吹き出しに注目すると、鉛筆で下書きした言葉の上に、ワードプロセッサーで印刷した文字が貼られています。この作業は、担当編集者が行っていたそうです。また、原画の所々には修整液の跡があり、作画の繊細さが伝わってきます。
40年もの間、ファンに愛され続ける『北斗の拳』の魅力について、大ファンだと公言するケンドーコバヤシさんは、「(時代が変わっても)常にケンシロウという強くて優しい男が求められているんでしょうね」と、持論を語りました。
ケンシロウが、敵と戦うために使うのが、北斗神拳と呼ばれる拳法。原さんは、敵を倒すだけではつまらないと思い、俳優・ブルース・リーのアクションや、担当編集者が出したアイデアから人体が爆発する要素を加えたそうです。
また、ケンシロウの胸に刻まれた北斗七星をかたどった7つの傷は、最初はファッションでつけただけだったそうで、のちに宿敵・シンにつけられた意味のある傷になったということです。
さらに、原画展には『北斗の拳』の世界観を体験できる映えスポットがあります。ケンシロウの前に立ちはだかった、その巨体を武器にする難敵・ハートのおなかが再現され、ケンシロウのように北斗神拳を試すことができます。
ケンシロウを1度は返り討ちにした、“南斗鳳凰(ほうおう)拳”の使い手、サウザー。その強大さを感じ取れるサウザーの玉座も再現されていました。
作品への思いについて、原さんは「僕の中では、『北斗の拳』が一番描きたかったマンガだったので、ずっと残るように、またこの先も楽しみにしていただければと思います」と、ファンと同じ思いであることを明かしました。