市川猿之助 24年ぶりの演目で初役に挑戦
歌舞伎座『四月大歌舞伎』が3日初日を迎え、市川猿之助さんと市川中車さんが初めての役に挑戦する演目が披露されました。
今回、三部制で上演される『四月大歌舞伎』。第一部で上演される「小鍛治(こかじ)」は、猿翁十種の一つで、初代市川猿翁さんが創作あるいは復活させた舞踊と舞踊劇を孫の現・二代目猿翁さんが選定した家の芸。
24年ぶりに上演される「小鍛治」では、猿之助さんが童子実と稲荷明神の2役を。中車さんが名匠・三條小鍛治宗近を演じ、名刀を完成させる伝説を描いた舞踊劇となっています。2人はともに初めての役に挑んでいます。
演目の前半は童子として神秘的な踊りを披露し、後半は稲荷明神として荒々しい踊りを披露している猿之助さん。初役を演じることに「一部残っている曽祖父の映像と自分の目にある伯父の姿を思い浮かべて取り組みます。きつねの化身としてのあやしさ、稲荷明神という存在の輝きや神々しさが出せればと思います」と公演前語っていました。
一方の中車さんは「自分が宗近を勤めるなど想像も出来ませんでした。(歌舞伎界に入り)この九年間の重みと自分が決断したことの意味を再認識させられ、恐怖と同時に使命と責任を感じています」と心境を語っていました。