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ゼンショー小川社長「食事をする楽しさ」を

2021年1月6日 22:01
ゼンショー小川社長「食事をする楽しさ」を

ゼンショーHDの小川賢太郎社長は日本テレビのインタビューに応じ、新型コロナウイルスを通して再認識した「接客の重要性」をもとに、「食事をする楽しさ」を提供するフードサービスのさらなる追求をしたいと今年の展望を語りました。

■コロナ対応には、きめ細やかなルール作りを

すき家などを展開するゼンショーHDの小川賢太郎社長は、政府のコロナ対応として外食業界に対し一律に規制を求めるのではなく、きめ細やかなルール作りが必要だと述べた。そうしたルールの中で様々な形態の外食業界も状況に沿った対応をすることで経済的な打撃を減らしながら感染防止策を貫徹できると語った。

■感染抑制と経済活動の狭間で…

また、新型コロナウイルスの感染防止と経済活動の両立については、各分野の専門家が様々な意見を述べている状況に対し、国民の不安を取り除くためにも、政府が意見を集約して発信する“司令センター”が必要だという認識を示した。

「様々な分野の専門家などがいろんな意見を言うのはいいと思うが、一体何が本当なのかと国民も不安が増えてしまう。不安を減らす方向で強力な“司令センター”に集約してほしい。そうすると、我々産業界としても情報を発信しやすい」と、小川社長は提案した。

■従業員の賃金は上げる方向

今年の従業員の賃金については、苦しい年ではあるとしながらもGDPを上げていくきっかけにもなるとして賃上げの考えを示した。

「やはり経営としては踏ん張って、賃金を上げていく方向で努力するということが必要だと思う」

また、現在のような緊急事態の時こそ、所得税の減税が必要だと指摘した。

「もちろん政府もいろんな手当や補助金を出しているが、やはりみんなに平等でわかりやすいのは、例えば所得税を1年間半分にするなどが非常にわかりやすいし、それが消費を喚起する」と、政府の支援策に期待を寄せる。

■デジタル化が進む中で忘れてはいけないこと

一方、働き方についてはコロナで加速しているデジタル化を進めつつも、人間でなくてはできないことが逆に大事になってくると話す。

「“真善美”というふうに考えているが、何が真実であり、何が善いことであり、何が美しいのかということは機械ではなくて、人間が感じ、人間が決めていく。事業も消費者のためになるのは、今、何なのだろうということを考えるのは、機械ではなく人間。そういう“真善美”を考える力をもっと社員も強めていく必要がある。そこが一番大事」と意気込みを語った。

■食事をする楽しさの提供

最後に小川社長は、今年の一年の展望について、「早く思うように事業をやりたいし、お客様と接することの重要性を逆にコロナで経験させられた」と述べ、さらに、外食しにくくなった今だからこそ、食事をする楽しさや便利さを改めて感じる人も多いとした上で、「原点を大事にして今年さらに、もっと喜んでもらえるようなフードサービスということを追求し、スピードを上げていきたい」と抱負を語った。