「大館のとんぶり製造技術」国の登録無形民俗文化財に登録へ 文化審議会が答申 正式に決まれば県内初の登録
大館が誇るあの食材をつくる技術が文化財に登録されることになりました。
文化審議会は24日、「大館のとんぶり製造技術」を国の登録無形民俗文化財に加えるよう、文部科学大臣に答申しました。
正式に決まれば、県内で初めての登録となります。
新たに国の登録無形民俗文化財に加えられるのは、「大館のとんぶり製造技術」です。
大館市の比内地区特産のとんぶりは、ホウキギの実を加工したもので、プチプチとした食感が特徴的です。
「畑のキャビア」とも呼ばれる、その特徴的な食感を生み出すためには、国内のほかの地域にはない製造技術が求められ、長年の経験と技術が必要とされています。
工程は、煮込み、皮むき、洗い、選別など、合わせて8つに及び、そのほとんどが手作業です。
特に水で洗う工程は、異物などを取り除くため、何度も何度も繰り返します。
それでも取り切れない異物は、ザルで選別し、さらにピンセットまで使って、入念に取り除いていきます。
一連の加工を終えるまでに、3日もかかる、重労働です。
大館市のとんぶりの生産者は、最も多かった1990年は138軒でしたが、その数は減少の一途をたどっています。
去年、新たに生産を始めた2軒を含めても、いまの生産者はわずか7軒です。
生産者たちはいま、とんぶりの普及と栽培・加工技術の伝承に力を入れています。
今回の登録を弾みにしたい考えです。
大館とんぶり生産組合 本間均 組合長
「ここでまた一度とんぶりを全国に広めて、そして生産者が1人でも2人でも手をあげてくれることをいま頭の中に描いています」
「手をあげてくれればいくらでも協力します。いくらでも指導します。なので、このままで行くととんぶりの灯が消えてしまう恐れがあるので、登録していただいたので、これを機会に新しい人にも手をあげてもらって、いくらでも僕らはそれに対して協力します」
「僕たちはとんぶりを大好きなファンのために、一生懸命頑張って出荷していきたいと思っています」
「大館のとんぶり製造技術」は、文化審議会の24日の答申を受けて、近く国の登録無形民俗文化財に登録されます。
文化庁は、全国各地の郷土食を文化財として保護することに力を入れています。
この、国の登録無形民俗文化財の制度は、文化財保護法の改正で、4年前、新たに導入されました。
「大館のとんぶり製造技術」が正式に登録されれば、県内では初めてとなります。