【特集】開園から100周年のきみまち阪 懐かしの映像から新たなオリジナルグッズまで
能代市にある桜の名所きみまち阪は、開園してから今年でちょうど100年を迎えます。
合併前の二ツ井町時代には、恋文コンテストをはじめ、街おこしの中心的な役割を担っていて、来月3日には100周年を祝う記念式典が開かれる予定です。
市民に愛され続けるきみまち阪。
まずは、秋田放送の映像ライブラリーに眠っていた、いまから60年前の1964年、昭和39年に撮影されたフォルム映像からご覧いただきます。
「いま二ツ井町にとって最大の望みは、藤里町の素波理を含めた観光地、きみまち阪の県立公園化の問題です。きみまち阪の名は、明治天皇が東北行幸の際に、昭憲皇太后からの手紙が飛脚で運ばれてここで待っていたことから名づけられたといわれていますが、この名が観光地として知られるようになったのは戦後のことです」
地元の人たちの憩いの場として親しまれてきた、能代市二ツ井地区のきみまち阪。
1924年、大正13年の開園から今年でちょうど100年を迎えます。
秋田放送の映像ライブラリーには、昭和・平成・令和と、季節に合わせて人々が集うきみまち阪の映像が数多く残されています。
(詳しくは動画で)
旧二ツ井町では、明治天皇と昭憲皇太后のエピソードにちなんで、平成の時代に「恋文コンテスト」が開かれました。
全国から多くの恋文が寄せられ、その数は10年間で約3万4千通にもおよびました。
コンテストは2003年に幕を閉じたものの、100周年を迎える今年、新たな取り組みとして、オリジナルのポストカードが作成されました。
仕掛け人は、町の中心部にある時計と眼鏡の専門店「時報堂」の工藤聖子さんです。
投函するとハート型の風景印が押される恋文ポストが商店街に設置されたことがきっかけでした。
工藤聖子さん
「この町に来て何をアクションしようと思っても何もない状態で、ここに来てくださいませんよね。なので、二ツ井の商店街に来てかわいいポストカードがあったら、ここから思いを届けて送ってくださるんじゃないか」
先月、二ツ井でキャラバンフェスを開いた秋田出身のあの人にPRするため、同じデザインのTシャツも作りました。
工藤さん
「実はフェスで髙橋優さんにサインを頂きまして」
高橋優さんのファンの目にもとまりました。
工藤さん
「(フェス会場で)20代の若い方に話をしたら『おもしれ』って言われたんです。どういうことだろうと思ったら、アナログに自分で書いたものを送るということが面白かったみたいです。改めてそんなふうに思ってくださる方がいたらうれしい」
デザインを依頼したのは、二ツ井町出身の書道家・未來さん。
現在は山形県を拠点に活動していて、道の駅ふたついのロゴデザインにも携わっています。
未來さん
「地元に関われるのって特別うれしいですよね」
「ハートの消印が小さいころ私も欲しくって、自分宛てにポストに入れたことがあるんですよ」
未來さんはカラフルな墨を使い、その濃淡やデザイン文字などで表現する『あーと書道』に取り組んでいます。
そんな未來さんが故郷のポストカードに込めた思いとは…。
未來さん
「二ツ井っていうと恋文の街」
「中に書いてある文字も注目してもらいたくって、二ツ井とか能代とか秋田とか書いてあるんですけども、何種類かの同じ文字ばかりではなく、いろんな書き方をしているので、作品として楽しんでもらえる要素も含めています」
来月3日の文化の日には、佐竹知事など多くの来賓を招いて、100周年の記念行事を開きます。
この日は、地元の関係機関で構成される実行委員会の詰めの会議が開かれていました。
能代市 斉藤滋宣 市長
「きみまち阪という名前もですね、特別な思いがあると思いますね」
「先輩たちがきみまち阪という名前に誇りをもって街づくりに生かそうということで恋文コンテストを開催されてきた」
「優しさというかな、まちづくりの中に活かしながらまちづくりをしていく、そんな思いがあると思う」
次の100年に向けた記念行事では、サクラやツツジの記念植樹が行われるほか、きりたんぽが振る舞われる予定です。
また、当日は、明治天皇の玄孫にあたる作家の竹田恒泰さんの特別講演も予定されています。