保活で「泣きそう…もうダメだ」 シングルマザーのフリーアナ・近藤さや香 ふと漏らした本音が救いに
そんな近藤さんが、自身の失敗などを通じて気づいた“日常生活での力の抜き方”をつづった初のエッセー『しあわせ護心術』(ワニブックス刊)を発表。苦労したという保活についてや、子育てでの息抜きの方法などを聞きました。
■午前9時からの帯ラジオ出演 保活で「どうしよう…」
――仕事と育児の両立で、一番大変だったことは何でしょうか?
保育園に入れない問題が、一番大変でしたね。本当に白髪がファーって見つかったのがちょうど“保活”の時でした。皆さん同じだと思いますが、保育園に預ける方は働いている方が多いと思います。私の場合はちょっと特殊で、朝の番組を帯でやる(月~木曜日、午前9時~正午のラジオ番組)っていう、かなりの日数を早い時間に(子供を)預けなきゃいけない。まず、その時間から預けられる園、その時間から空いている園を探すところから始まりました。
東京はポイント制なんですね。1ポイント2ポイントで、介護しているとか一人親とか、色々ポイントがあるんです。それによって、点数が高い人から優先的に園が決まっていく…という形だったので、皆さんこの1ポイントをかき集めるためだけに、とにかく奔走するって聞いていたので、私もすごくポイントをかき集めまくりました。
私の場合は、この時間の園だったら“自分が送って行ける”っていうのと、この時間に開始の園だったら“自分は送っていけないからシッターさんも探す”みたいな、同時にいろんなことをマルチタスクとしてやらなきゃいけなくて。「どうしよう…」と思って。
■「もうダメだ」から一転 窮地を救ってくれた存在
――苦労をしてきた中で、今まさに悩んでいる人に伝えられることがあるとしたら、どんなことを伝えますか?
私の例しかお伝えはできないんですけれども、私自身はどこの行政に頼んでお願いしても、民間のシッター会社とか問い合わせても、本当にどこもなしのつぶてだったんです。
泣きそうで「もうダメだ」ってなった時に、親友にポロっと「今さ…」って話をした瞬間に、「シッターの友達いるから相談してみるよ」って(言ってくれて)。そこから、あれよあれよとその友達、友達、友達…ってネットワークが決まっていって。気づいたら、(子供を)送れる人たちが担当日まで全部決めてくれて、もう“あとはどこか保育園に入れれば、どこでも送ってあげるから”って言われて。LINEグループに“送迎班”っていうグループができていて、スケジュールまで作ってくれて。腰が抜けましたね。「えー!」ってなって。(最終的に保育園は)アクセスがいいところを選んで、みんなが送りやすい場所っていうところを選んで、ここにしますっていうふうに決めました。
この経験を経て私が言えるのは、“周りの人に頼る”っていう発想。お母さんって「自分の子だから自分でやらなきゃ」ってすごく思うと思うんですけれど、もしかしたら救いの手ってすごく近くにあったりするかもしれないってことに目を向けてほしいなって思います。
■子育てを通して気づいた「私が余裕がなきゃ」
――近藤さん流の子育ての息の抜き方は?
やってあげられないことに「ごめんね」ってあまり思わないようにしています。(たとえば)お菓子作りとか、「毎日やらなくてもいいことじゃん」って私は思うんですけども、子供は「やりたい!」と思ったりするみたいで。「じゃあ、時間がある時にそれはやろう」って。
やっぱり自分がハッピーじゃなきゃ、次の人を育てるっていうのは相当余裕がなきゃできないことなので。自分のゆとりをまず確保することで、そこで育てるっていうふうに意識を持っていくようにしています。一瞬「ジコチューかな?」って思っちゃうことでも、ちょっと冷静に引きで見てみたら、「いや、私が余裕がなきゃ」っていうふうに、自分を認めてあげることも大事なんじゃないかなって思います。
【近藤さや香 プロフィル】
1984年4月1日生まれ、愛知県出身。幼少期をアメリカ・ミシガン州で過ごす。秘書を経て、アイドルグループ・SDN48の1期生として活動。卒業後に、フリーアナウンサーとして活動を開始し、ラジオ番組のDJなどで活躍。書き下ろしのエッセー『しあわせ護心術』を3月23日に発売。