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局アナ→東大大学院1年生になった磯貝初奈 「お昼を1人で食べていたら…」同級生の反応に驚き

2023年12月29日 22:10
局アナ→東大大学院1年生になった磯貝初奈 「お昼を1人で食べていたら…」同級生の反応に驚き
大学院1年生・磯貝初奈が語る“学び直し”の日々
2023年4月から東京大学・公共政策大学院に入学したフリーアナウンサーの磯貝初奈さん(30)にインタビュー。中京テレビのアナウンサーだった磯貝さんは、2022年にフリーに転身。局アナ時代、ニュースを読んでいる中で「背景などがわかっていない」ことが気になり、2023年4月から東大大学院に入学しました。驚きがあったと語る同級生とのキャンパスライフや、“学び直し”を考えている人へのアドバイスを聞きました。

■大学院では経済政策コースを選択 “2つのハードル”語る

――2023年はどんな1年でしたか?

大学院に入学して、授業で1コマ1時間半勉強して、後でそれを自分で持ち帰って、同級生といろいろ課題に取り組んだり…。(社会人時代に)これだけ時間をとってしっかり学ぶっていうことはなかったので、「やっぱり勉強するのは好きなんだな」っていうのを改めて実感した1年だったかなと思います。

――具体的にどんな勉強をされているのでしょうか?

仕事をしながらということで、入学前から4年間で卒業させてもらうという申請をしていて。入学して1年目は、経済の必修の『マクロ経済学』、『ミクロ経済学』、『計量経済学』っていうのがありまして。社会人の間にほとんど英語を使ってなかったんですけど、授業も教科書も英語なんですよ。経済初学者であることと英語、ハードルが2つあって。だからまず“先生は何をおっしゃっているんだ?”というところから入りました。

あとは、興味があった観光に関する政策、交通に関する政策、エネルギーの政策とか、今、実際にどういうことがどういう仕組みで行われているかという授業も取りながら、両輪でやってますね。基礎のところと実際(の仕組みがどうなのか)のところ。

大学時代は中間試験、期末試験は憂鬱だった記憶があるんですけれど、ここまでにこれだけわからなきゃ、というプレッシャーの中で勉強するから身に付くことってあるなって。(大学院で)初めての中間試験の時に(同じ)社会人の同期と「試験ってやっぱり楽しいね」って言って、23、24歳の子に「何言ってるんですか?」って引かれることがありました(笑)。

――入学する前と後で、想像していたこととの“ギャップ”はありましたか?

正直、大学を卒業してそのまま大学院に進む方が多いと思うので、そういう方からしたら(自分の存在が)“異質だろうな”と構えていた部分ももちろんあって。だから1人で学ぶ感じに近いかなとは思っていたんですけれど、23~24歳の大学から上がってきた大学院生の子たちが、“ハードルなしに仲良くしてくれる”っていうのがうれしい驚きでした。

――どんな話や交流をしているんでしょうか?

私、大学に入ってた時は紙のノートとかルーズリーフで板書してたんですけど、“タブレットを使うと便利なんですよ”とか。お昼も初め1人で食べていたら、“初奈さんぼっち飯だ~”とか言いながら入ってきてくれたりとか(笑)。 思っていた以上に青春っぽい感じにいれてもらって、楽しいなって。

みんな(大学卒業からそのまま大学院1年生になった同級生)は今、就活期間中だったりもするので、「模擬面接してください」って頼んでくれたりもして。社会人経験をそうやってありがたがってくれると想定していなかったですし、一緒にアフタヌーンティー行ったり、遊びに行ったり。

――他にも“キャンパスに通う良さ”は何かありますか?

勉強を好きな人が基本的に集まっているので、学科に関係ないことでも「この間こういう本を読んで、これがこうで面白かったんだけど、どう思う?」っていう話で盛り上がったり。授業の内容以外でも学びが多いなっていうのは、キャンパスの良いところだなって思います。

■入学してわかった「予想以上に知らないことは多い」

――会社を退社して大学院に入学。その決断について、今の率直な心境は?

“退職して入学する”というのはかなり生活が変わるので、もちろんすごく大きな決断ではあったんですけど、今の段階では少なくとも本当に良かったなと思っています。

(局アナ時代は)日々、自分がニュースを読んでいる中で“ちゃんとわかっていない気がする”って思って、それがストレスでした。背景とか歴史の部分とか、他国との比較とかわかってない気がすると思って、それを解消したいなというところで大学院に行ったんですけど、入ってみたらやっぱり予想以上に知らないことは多いんだなと。せっかく4年間 時間を作ったので、“想定していないわからないこと”もあるから、とにかく色々吸収して。学んでいく中で“この分野は”という何か専門を持てればいいなと思っています。

■“学び直し”を考えている人へ「いろんな可能性がある」

――“学び直し”を考えている人も多いと思いますが、会社を辞めるなど大きな決断が必要です。実際に経験されている磯貝さんから、伝えたいことはありますか?

私の場合は会社辞めて、今の学び直しの機会を得て(フリーアナとして)仕事しながら…というので、全く後悔ないんですけれど、場合によっては会社も“こういう理由で学び直しをしたいから辞めようか迷ってます“と言ったら、“休職っていう選択肢もあるよ”とか、あとは“週5勤務を週4か週3勤務に変えるという選択肢もあるよ“みたいな事例もちらほら耳にします。

(自身も)2年で修了しなきゃいけないのかなって思っていたけれど、4年間で授業を調整しながらでも学べるんだとか、“いろんな可能性があるんだな”っていうのが実感として得られました。ちょっとでも学んでみたい気があるんだったら、難しい状況だったとしてもあきらめずに、いろんな制度を調べてみたら、無理のない学び直しができる制度があるんじゃないかなっていうのを今、伝えたいです。


【磯貝初奈プロフィル】
1993年11月20日生まれ、東京都出身。東京大学工学部 社会基盤学科を卒業後、2016年に中京テレビにアナウンサーとして入社。2022年3月に退社し、フリーアナウンサーとして活動。現在、東京大学大学院に在学中。

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