世界に通じるエンタメビジネス! 詩羽と知る…タテ読みマンガの世界【SENSORS】

「タテ読みマンガ」とは、スマートフォンで読むために最適化されたフルカラーマンガだ。「ウェブトゥーン(Webtoon)」「スマトゥーン」と呼ばれる場合もある。現在の市場規模は約5000億円、5年後には7倍の約4兆円に達すると予想されている。
タテ型になることで、なぜこれほどまでに市場が急拡大しているのだろうか。
■タテ読みマンガが世界的に人気
日本の代表的なマンガアプリ「LINEマンガ」では、売上トップ10のうち上位8作品が「タテ読みマンガ」だという。また、グローバル展開を行うタテ読みマンガプラットフォーム「NAVER WEBTOON」は9ヵ国語で配信、そのユーザー数は1億人に迫る勢いを見せている。
LINE Digital Frontierの森 啓 取締役COOは、タテ読みマンガの世界的人気の理由について次のように述べる。
「タテ読みマンガはフルカラーで、コマが大きく見やすい点が特徴です。また、従来のヨコ読みマンガは日本の場合、右から左に読むが、海外では左から右に読むのが一般的なため、馴染みがありません。タテ読みマンガは上から下に読むので、世界中の人に受け入れられやすいフォーマットだと言えます」
世界が認める日本のマンガ。これまでに数々のマンガを世に送り出してきた出版社だけでなく、IT企業やスタートアップ企業も次々にタテ読みマンガ事業に参入、原作IP(IP=Intellectual Property :知的財産)を保有する形で、世界に通じるエンタメビジネスに打って出ようとしている。LINE Digital Frontierの森取締役COOは、タテ読みマンガのビジネスモデルの特徴について次のように解説する。
「従来の紙のマンガとは違い、タテ読みマンガはデジタルならではの仕掛けができます。たとえば、『第1話無料配信』など、まずは無料で読んでもらう体験で新たなユーザーを引きつけ、読者を獲得していくことができます」