舟木一夫、西郷輝彦さんを偲ぶ 「ケンカ友達をなくしたような…」
■歌謡界の“御三家” 西郷さんとの間柄
1960年代当時、舟木さん、西郷さん、橋幸夫さんの3人は、日本歌謡界の“御三家”と呼ばれていました。西郷さんとの間柄について、「そんな狭いくくりではなくて、それぞれ個性も違って、違った道を歩いてきた。輝(てる)さんは、歌手、俳優共に大成した人ですから、意外と考えてみると(若い頃の付き合いは)少ないんですよ。歌の世界、流行歌の世界から出て、俳優さんとしても一国一城の主(あるじ)となる、これは大変なことだと思います。だから(当時は頑張って)やってるなと見てましたよ」と振り返りました。
西郷さんとの交遊について、舟木さんは「今から15年前くらいから、どちらからともなく2~3か月に1回は電話をしたし、向こうからもかけてきた。手紙のやり取りもして、むしろ若い頃より50代半ばからの方が付き合いができました」と関係性を明かしました。
さらに舟木さんは、「2人っきりで飲んだり食べたりするのは、たいがいスタッフが一緒だったりするので、意外と僕らの世界はないんです。彼(西郷さん)が体を悪くして、1年半位前に2人っきりで初めて、ご飯を食べた時に怒られました。というのは、(私が)輝さんの体の具合が良くないと、うわさを聞いてすぐに『大丈夫? 気をつけてね』と電話したことがあった。(西郷さんがその時のことにふれて)『大丈夫ですか? と言ったけど、がんを患っているんだから、大丈夫なわけないんだよ!』と怒られちゃって…」と2人だけの思い出を懐かしみました。
最後に舟木さんは、「いま電話をしたら(西郷さんが)『ウィッ』と出そうな感じがするんです。亡くなったのではなくて、そこらへんで遊びほうけているんじゃないかと、早く帰っておいでよ」と西郷さんに呼びかけました。