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【解説】長期金利、約10年ぶりの水準まで上昇…影響は?

2023年11月1日 18:16
【解説】長期金利、約10年ぶりの水準まで上昇…影響は?

長期金利が約10年ぶりの水準まで上昇しています。日本テレビ経済部の大野伸解説委員の解説です。

――金利が上がるとお金を借りる際のローンの金利が不安だ、という人もでてくるかと思いますが、いかがでしょうか?

今回上昇しているのは、長期金利の代表的な指標となる10年物国債の利回りです。これは住宅ローンでみてみますと、固定金利に影響します。事実、銀行の住宅ローンの固定金利は上昇しているんです。

しかし、住宅ローンはいまは変動金利という短期金利に連動したローンを組んでいる人が多いです。こちらはいまのところ上昇はしていませんので、影響はみられません。

また、住宅ローンには新しいネット銀行なども参入をしてきていて、銀行とネット銀行の間で顧客の取り合いになっています。いうならば、特別サービスとなる「優遇金利」と呼ばれる通常よりも低い金利を提示するなどしているケースもあります。こうした環境から、変動金利の住宅ローンが実質的に低い金利で推移することは当面、変わらないと専門家はみています。

もちろん変動金利ですから、借りる人は金利が変動しても大丈夫か、余裕をもった借り入れの計画をすることは大前提となります。

――金利が上がることによる生活にプラスの影響は?

生命保険会社は金利上昇により運用の利益が上がることから、年金商品によっては今後、受け取れる年金が増える可能性もあります。また、学資保険は受け取りの金額は決まっているものの、保険料を引き下げるという形をとる商品も出ています。