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逆風吹き荒れた携帯電話業界…2019年は

2019年1月1日 18:05
逆風吹き荒れた携帯電話業界…2019年は

2018年は携帯電話業界にとって「逆風」が吹き荒れる1年となった。ことの発端は2018年8月の菅義偉官房長官による「携帯電話の通信料金は今より4割程度下げられる」という異例の発言だ。大手3社が高い利益率を上げていることなどに触れ、今よりも値下げすべきと発言したことから、大手携帯キャリアのNTTドコモやKDDI、ソフトバンクなど各社は対応に追われた。

ソフトバンクは菅長官の発言の直後の8月末に端末と通信料金を分離し、通信料金を25~30%程度値下げする分離プランを発表した。ただ、菅長官の発言を意識したものではないという。

一方、NTTドコモは10月に端末と利用料金を分離して端末は値上げし、その代わりに利用料金を2割から4割値下げすると発表した。菅長官の発言を意識したとみられる。

KDDIは菅長官の発言より前に通信料金を値下げする分離プランを発表していたが、発言後に行われた決算会見では本来発表すべき企業の業績よりも値下げを強調する、いつもと違う決算会見となった。

ただ3社とも通信料は下がったが、料金体系は複雑で、改善を求める声が多い。

2019年は楽天も携帯電話事業に参入する。値下げ合戦となるのか、分かりやすい料金プランとなるか、各社の動向が注目される。

そして2019年、携帯各社が通信以外で力を入れている分野がある。スマホを使った決済サービスだ。例えばNTTドコモは2018年4月にスマホでQRコードを読み取ることで、通信料や買い物の代金などをまとめて支払うことができる「d払い」を開始。

10月にはソフトバンクとヤフーも共同でスマホによる決済サービス「PayPay」を開始。12月には「100億円還元」と題して大規模なキャンペーンを行ったことで爆発的に認知度をあげた。しかしクレジットカードの不正利用問題が発覚し、セキュリティー対策の甘さを指摘された。

KDDIは楽天と提携し、新たな決済サービス「auPay」を2019年4月に開始する予定だ。

携帯電話の需要が一巡し、販売が伸び悩む中、通信に加えて決済の分野でどう他社と差別化していくのか。携帯会社の競争は2019年、新たなステージを迎える。

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