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三菱地所社長が語る“丸の外”の戦略図 1

2019年2月20日 13:34
三菱地所社長が語る“丸の外”の戦略図 1

様々なジャンルのフロントランナーからビジネスのヒントを聞く「飛躍のアルゴリズム」。ゲストは、三菱地所株式会社社長の吉田淳一氏。東京駅前の高層ビル計画をはじめ丸の内地区の再開発を主導する吉田氏。東京、そして自社の未来図をどう描いているのか。(聞き手:日本テレビ経済部デスク・鈴木あづさ)


■スター・ウォーズの大ファン、好きなキャラは…


――実は、先日会社にうかがいまして、吉田社長の印象について聞いたところ「とにかく冷静沈着で、慌てたところを見たことがない」という声がありました。一方で映画「スター・ウォーズ」の大ファンで、写真にも出ていますが、実は集めたグッズは400種類以上もあると。R2-D2のファンなんでしょうか。

そうですね。R2-D2は丸くてかわいくて、本当に主人公が困ったときに、縁の下の力持ちをしっかりと果たしてくれるということで、こんな仲間が私の近くにいたらいいなと、常々思っております。


――ちなみに今、襟元にバッジをつけておられますが?

今年の秋に開幕するラグビーW杯のオフィシャルスポンサーを三菱地所グループがやっていまして、今日はネクタイのほうもラグビーW杯のものにしています。


■東京駅前に日本一の高層ビル、勝算は?


――さて、ひとつ目のキーワードは「東京駅前に日本一の高層ビル、なぜ?勝算は?」。今、東京駅前では三菱地所による大がかりな再開発プロジェクトが進行中です。東京駅の北側に日本一の高さとなる、390メートルの高層ビルが建つ予定となっています。なぜ日本一のビルを建てようと思われたんでしょう。

これからの日本を考えた場合、外国人観光客や、世界に誇る国際金融拠点が非常に重要になってくると私たちは考えています。この建設予定地の常盤橋地区というのは、首都の玄関口・東京駅の目の前ということで、まさに日本一のビルを造るにふさわしい場所だと思っています。


――今モニターに写真が出ていますが、こういうデザインになるんでしょうか。

デザインはまだ決まってはいないんですが、これから中身を含め、どんな新しい要素を取り込むかによって、変わってくると思ってます。


――かつて日本一といえば、横浜のランドマークタワーでした。あのビルはトータル1000億円の赤字を出してしまいました。老婆心ながら今回は大丈夫なのかと不安になってしまうんですが。

ランドマークタワーは1980年代に計画をつくりまして、ちょうどバブルの真っ最中でした。完成したのが1993年で、ちょうどバブルが終わる頃で、バブル崩壊による影響も受けましたし、一方で、横浜を代表するようなプロジェクトということで、非常に構造なども特殊なものになっています。メンテナンスとか修繕に多額の費用がかかるということで、この反省も受けて、常盤橋の新しい超高層ビルではメンテナンスしやすいような計画にしたいと思います。

(2へ続く)


【吉田淳一氏プロフィル】
1958年、福岡県出身。1982年に東京大学法学部を卒業後、三菱地所株式会社に入社。札幌郊外のニュータウン開発から丸の内をはじめとするオフィスビル群の運営、人事や法務部門まで幅広く経験。前社長である杉山会長から「胆力があり、動じない」と見込まれ、2017年より執行役社長に就任している。